「これは恐い、恐すぎる」人形が怖い3つの場所! 村田らむが取材(トライポ閲覧注意)
――B級スポット、樹海や禁断の土地、ホームレス取材を得意とするルポライター村田らむが寄稿!
「人形って恐い……」
と思う人は少なくないだろう。
たくさんいるから、怪談やホラー映画でもよく登場する。
僕は霊障やら霊魂やらは毛ほども信じていないのだが、それでも人形は恐いと思う。
廃墟を散策していて、ふと視線を感じて振り向いたらフランス人形が置いてあったりすると「きゃっ!!」と声が出るくらいビックリしてしまう。たまに
「リアルラブドールってどうです? 現実の人間よりもかわいいですよ?」
と勧められることがあるが、僕はリアルラブドールも恐い。部屋にリアルドールがいたら、たぶん家に帰らなくなると思う。
というワケで、今回は「人形が恐い」スポットを3箇所紹介したいと思う。
■01・京都 粟嶋堂宗徳寺
粟嶋堂宗徳寺は京都駅を北から出て西に少し歩いた所にある小さなお寺だ。
この次に紹介する淡島神社と系列は一緒だが、こちらは寺院である。そもそもは宗徳寺を守るための粟島神社だったのだが、明治の神仏分離令によりお寺になった。
祀られているのは粟嶋明神である。1400年代に南慶和尚が、和歌山の淡島から京都に粟嶋明神を運んできて境内に祀ったのがはじまりと言われている。
それでは粟嶋明神ってなに? というと、イザナギ・イザナミの二番目の子供と言われたり、国造りの神の一人スクナビコナだったり、仏教の知恵の神アーカーシャガルバ(虚空蔵菩薩)だったりと、いろいろな解釈があるそうだ。
よく分からなくなってきたと思うが、宗教ってのは大体はややこしいし、またいいかげんなものなのである。でもそこが面白い。
ちなみに粟嶋明神は、女性の守護神と言われている神様である。お寺の入り口には
『女性の守り神 粟嶋大明神』
とドーンと彫られた石碑が建っている。
張り紙には
「病気平癒(特に婦人病平癒)手術成功、良縁、子授安産、その他、女性一切の御守護」
と書いてある。
完全にご婦人向けの神社である。デパートの女性の下着売り場に入るような気まずさを感じながら堂内に入った。
さほど大きいお寺ではないが、本堂と稲荷社、庚申堂が並んで建っている。娘の病気回復の祈願に来たという、江戸中期の俳人・与謝蕪村の俳句も石碑にして飾られていた。女性数人の参拝客が来て、手を合わせていた。
まあ僕は醜い40代の独身男性なんで、祈願はしないで反対側の展示物を見る。
このお寺の中で一番目立つのは、“人形”である。堂内には大きな文字で「人形供養」と書かれている。一体につき3000円で供養してくれるのだという。
そして、供養をしたあと、きれいな人形を棚にお飾りしているのだ。
そして、これがすっごい恐い。
大まかにジャンル分けされているのだが、古くて色のくすんだ日本人形がズラッと並んでいるゾーンを見て息を飲んだ。
大小様々な子供たちが無邪気な顔でこっちを見ている。おかっぱ頭のいわゆる市松人形もあるし、まだ髪が生え揃ってない赤ちゃんの人形もある。人形たちの視線で肌がチクチクと痛くなる気がした。
人形たちの後ろには、お堂をお参りしている着物の女性が描かれた古い絵が何枚も飾られている。海外の女の子をかたどった人形や、花嫁人形もズラリと並べられていた。
展示の方法が実に上手い(恐がらせるつもりならば、だけど)。
深夜に来たら、なかなかチビっちゃいそうなお寺だった。
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2024.10.02 20:00心霊「これは恐い、恐すぎる」人形が怖い3つの場所! 村田らむが取材(トライポ閲覧注意)のページです。人形、村田らむ、粟嶋堂宗徳寺、淡嶋神社、伊香保おもちゃと人形自動車博物館などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで