「記憶改変ドラッグ」で辛い思い出から感情を切り離す実験、遂に成功! まさかの「●●病」治療薬が鍵だった!

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画像は「Getty Images」より引用

 ブルネット氏はその効果について、「記憶がトーンダウンした」と説明している。ある患者は「ページをめくれたように感じます。私はもう、あの人や、あの人との関係には取りつかれていません」と、自分がようやく失恋の痛手から立ち直ることができたと語ったという。なお、薬の摂取はPTSDになるような辛い経験の後、任意のタイミングで行えるとのことだ。

 ブルネット氏は「我々は苦痛を伴う記憶を完全に消すことはしない」と主張しており、この治療に伴う倫理的な問題は少ないとしている。今回の研究は論文にまとめられ、現在専門誌に投稿中だという。ただし、「記憶をトーンダウンさせるのと、頭からも心からも完全に消し去ってしまうのと、2つの選択肢があったらどちらを選びますか?」との意味深な問いかけも発しており、この分野の研究がいずれは双方の選択肢を実現すると暗に匂わせている。

 記憶の消去は犯罪への応用も容易に考えられるだけに、研究には非常に慎重な姿勢が求められている。とはいえ、忘れてしまいたいことを本当に忘れることができたなら……その可能性は非常に魅力的であるが、同時に記憶という自分の基礎となるものを操作することには恐ろしさもある。思い出すのも苦痛な記憶にどう対処するか、それを選べる時代はもうすぐそこまで来ている。

参考:「Daily Mail」「National Post」ほか

TOCANA編集部

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