太古のアフリカに謎の「ゴースト部族」が存在していた! 日本人のルーツも!?
太古のアフリカに謎の「ゴースト部族」が存在していた! 8000年前の遺骨から発覚…日本人のルーツも!?
貴重なゲノムデータを分析した研究チームが驚かされたのは、8000年前と3000年前のこの子どもたちが、今日この地に住んでいるバンツー語文化圏の人々とは関係していないことであった。この子どもたちはむしろバンツー語を話さない中央アフリカの狩猟採集グループに遺伝的に近かったのである。
この子どもたちが属していたグループはどこかの時点でこの地を離れたということなのだろうか。そこで浮上してくるのが、太古のアフリカにいた謎の“ゴースト部族”の存在である。この子どもたちは“ゴースト部族”の一員だったのか。
さらに詳しく分析したところ、子どもたちのDNAの3分の1は中央アフリカ西部の狩猟採集民に関連していたのだが、3分の2は“ゴースト部族”を含む西アフリカの2番目にメジャーな人口からのものであることが判明した。やはり“ゴースト部族”に関係している可能性があるのだ。
■謎の“ゴースト部族”の解明に一筋の光明
今回の研究には関与していないスウェーデン・ウプサラ大学の進化生物学者、カリーナ・シュレブッシュ氏もまたこのシュム=ラカの子どもたちが現在の熱帯雨林の狩猟採集者に最も関連していて、バンツー語圏の文化とは関係がないことに驚きを禁じ得ない。しかしこのシュム=ラカが特定のグループだけではなく、いくつものグループが共同で埋葬地として使用していた可能性もあると指摘している。
シュム=ラカの子どもたちについて、遺伝分析によってさらにいくつかの発見がもたらされている。たとえば少年のゲノムの1つは、人類最古の系統のY染色体を持っていた。これは最古の人間の父系統がカメルーンに少なくとも8000年、おそらくそれ以上はるかに長い間存在していたことを示している。
また、子どもたちのゲノムは遺伝的混合の兆候を示しており、子どもたちの祖先が異なる集団の人々と交配したことが示唆されるという。
さらにこの分析では、20万年から30万年前の人類に少なくとも4つの主要な血統が存在していたことが指摘されている。また6万年から8万年前の人間の血統の4つのサブ系統も発見できたという。これには、現代のすべての非アフリカ人を生み出した血統が含まれているということだ。つまり日本人も含まれる。
「これは素晴らしい論文であり、アフリカの古代人DNAデータベースの構築のための歓迎すべき知見です。酸性土壌のために古代人の遺体の状態がよくない西アフリカで、こうしたDNAを入手できたことは特に価値があります」(シュレブッシュ氏)
ともあれかつてアフリカ大陸を渡り歩いていた謎の“ゴースト部族”の解明に幸運にも一筋の光明が差したことは間違いない。
参考:「Mysterious Universe」、「Live Science」ほか
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