海賊は戦う前に「幻覚茶&軟膏」で“バーサク状態”になっていた! 死の恐怖が消失、しかし戦い後は“廃人状態”に(最新研究)

■戦争とドラッグは切っても切れない関係

 バイキングはしばしば北欧神話や伝承に登場する、異能の戦士“バーサーカー”にたとえられる。

 バーサーカーは戦いの前に暴力的なトランス状態に入り、怒りと欲望のリミッターを外し、野獣のように雄叫びをあげて鬼神の如く戦い続ける。動物の毛皮を着ているだけで、ほぼ裸であったといわれている。

 バーサーカーは9世紀以前に実際に存在していたのだともいわれ、その野獣性の“狂乱発作”は幻覚剤の効果によるものであると信じられてきた。

 幻覚作用のあるマッシュルームとヒヨスが戦闘前に使われていたと考えられ、ひとたび摂取すれば戦士たちは自己防衛本能を失い、獰猛に闘い、身体の痛みをほとんど感じなかったという。

 歴史的な説明によると、幻覚剤を摂取した戦士たちは震え始め、歯をガタガタ鳴らし、悪寒に身震いしたという。その次に顔を真っ赤にして怒り狂い、辺り構わず敵に襲い掛かったということだ。

 かくも狂暴な彼らだが、幻覚剤の効き目が切れると一転して弱々しくおとなしくなり、長ければ数日間“落ち込んだ”ままであったということだ。

 バイキングの猛者ぶりは、この“狂戦士”バーサーカーに重ね合わせてイメージされているようだ。そしてバイキングもバーサーカーと同じ幻覚剤を使っていたのだとすれば興味深い。

海賊は戦う前に「幻覚茶&軟膏」でバーサク状態になっていた! 死の恐怖が消失、しかし戦い後は廃人状態に(最新研究)の画像3
画像は「Wikimedia Commons」より

 歴史を通じて古代ローマ軍やベトナム戦争の米軍、ヒトラーのドイツ国防軍など、兵士が戦闘でアグレッシブになれるようにドラッグを使用してきた経緯がある。昔から戦争とドラッグは切っても切れない関係にあると言えそうだ。

参考:「Daily Mail」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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