未だ解決しない1876年に起きた「肉の雨」の謎 ― 食べた者も…決して説明のつかない奇妙な現象
さて、現在もこの「不思議な肉」への探求はやんでいない。
2004年に、米ケンタッキー州トランシルバニア大学のクルト・ゴーデ教授は、大学の収納クローゼットを片付けている時、コルク栓で密封された古いガラスの瓶につまずいた。
その瓶には濁った淡黄色の液体に、白い脂肪質の肉の塊が漬けられていた。ラベルは色あせていたが、かろうじて「オリンピア・スプリングス」という文字が読み取れた。コーデ教授は興奮し、それを検査に送ったが、残念なことに瓶の中の肉は腐乱が進みすぎ、正確な検査ができなかった。
しかしゴーデ教授は、これで調査を終わりにはしなかった。教授は、シンシナティに本拠を置く味覚研究所で、肉サンプルのフレーバーを分析し、その味をジェリービーンとして再現した。そして、その「瓶の中の肉風味」のジェリービーンズを作り、ケンタッキー州の最も古い祭りの「コート・デイズ・フェスティバル」で、人々にそのサンプルを配った。
ある人は、その暗赤色のジェリービーンズの味は、生のベーコンに似ていると考えた。別の人は、それは「ストロベリー・ポークチョップ」のような味がすると言った。ゴーデ教授自身は、その風味を「金属のような後味のある、かなり甘いベーコン」に最も似ていると話している。
はたして「肉の雨」は、いったいどこから降ってきたのだろうか。「乳児の肺組織」という分析も一部にはあったようだが、そうだとしたら、かなり後味の悪い事件である。
参考:「Daily Star」、「Atlas Obscura」ほか
文=三橋ココ
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