ドラッグでキメて「トリップした空間」に“数年間滞在する方法”が開発される! 「DMT空間」は実在する!

 人類文明の進歩は未開のエリアの開拓とともに進んできた。地上、海洋、宇宙と我々は行動範囲を広げてきたのだが、まだほとんどわかっていない領域がある。それは、我々の精神の内部だ。

■現実よりも生々しく鮮やかな「DMT空間」

 宇宙はまたの名をアウタースペース(outer space)と呼び、我々人類が着々とその空間で開発を進めている。そしてその反対の方向へ向かう究極のインナースペース(inner space)が我々の精神世界だ。今後我々は、この手つかずの未開の地であるインナースペースの探査に乗り出すことになるのだが、その船出はどのようなものであるのだろうか。

 我々の精神世界の探査について、神経科学者で作家でもあるアンドリュー・ガリモア氏が着目しているのは、サイケデリック薬物の1つであるDMT(ジメチルトリプタミン、N,N-dimethyltryptamine)である。

 アマゾン北西部の先住民族の間で伝統的に用いられる幻覚剤「アヤワスカ」は、今では数々の有名人もその体験の素晴らしさを語っているが、このアヤワスカの主な成分がほかならぬDMTである。

 DMTは現実を変える効果があることで知られ、日常的な感覚のありふれた世界から、信じられないほどリアルに感じられる奇妙な“別の現実”に誘うとされる。摂取した者は“意識の変容”を体験し、ある意味では現実よりも現実感に満ちた鮮やかな世界を体験することが報告されている。

 しかし、その効果はきわめて短い時間で終わる。比喩としては“ビジネスマンのランチ”とも呼ばれていて、過密スケジュールで動くエグゼクティブのつかの間のひと時という意味合いで揶揄されているのだ。DMTによって興味深い“インナースペース”へと誘われるのだが、その世界をゆっくり味わい、心に刻みつけるにはあまりにも時間が短いのである。

 だが、最近になってガリモア氏は人々を「DMT空間」に長期間とどめ置く方法を提案している。たとえば手術時の全身麻酔のように、一定の時間、DMTの世界に浸ることができる技術があるというのだ。

ドラッグでキメて「トリップした空間」に数年間滞在する方法が開発される! 「DMT空間」は実在する!の画像1
「Daily Grail」の記事より

 サイケデリックをテーマとした世界最大のコンベンションの1つである「Breaking Convention 2019」で行われた講演で、ガリモア氏はこの技術とアイデアについて説明している。DMTの効果を長引かせるのは難しいのだが、血流に直接DMTを注入できる機器を用いて薬効をコントロールすることができるということだ。

 ガリモア氏は、1990年代のニューメキシコ大学リック・ストラスマン医学教授のDMT研究のデータを使用し、注射後のDMTの血中濃度の記録を詳しく分析した。ガリモア氏の計算によれば、最初に25㎎のDMTを注入して“トリップ”した後、1分間に4.2mgのペースでDMTを断続的に注入することでDMTによる“インナースペース”の滞在時間を延ばすことができるという。

「生きている人間にこのプロトコルを使用すると、必要な限り“DMT空間”にとどまることが期待できます」(ガリモア氏)

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