人類を救う天才は「発達障害」ばかりだった! ハンパない潜在力を実体験から解説「発達障害最強論」!

■IT業界の巨人たちも」

 IT業界と発達障害の親和性が高いせいだろうか、この分野で歴史に名を残す人物の多くも発達障害的であるといわれている。

 アップルコンピュータ創業者のスティーブ・ジョブズもその一人で、マッキントッシュやiPhoneの開発で示した極端な「こだわりの強さ」は、まさにASDの特徴だ。

 また、ジョブズのライバルだったビル・ゲイツも、アスペルガー症候群(ASDに分類される)の特徴があるといわれる。子供の頃には社会性の面で問題があり、「1学年遅らせて学習させてはどうか」と学校から勧められるほどだったという。

 ジョブズにしろゲイツにしろ、ASD的な側面があったからこそ、世界を変える偉業を為すことができたのだろう。

 筆者自身も25年間SEとして働いていたが、それも自分のASD的な要素が有利に働いていたのだと思う。プログラマーの資質として、一見無秩序と思われる集合から“秩序”を見出すことが求められるが、それはASDの人々がもつ特徴的な能力の一つであり、また、現在の研究でもその部分が大いに役立っている。

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画像は「Getty Images」より引用

■アート分野

 米国の画家・版画家・芸術家でポップアートの旗手だったアンディ・ウォーホルは、異常な蒐集(しゅうしゅう)魔でもあり、物を捨てられない習癖があった。「ためこみ症」とも言われるが、これもADHDやASDの人に多く見られる性向だ。

 筆者の母も物を捨てられない習癖が強く、これもASDの特徴だと知って納得した。そうなると、親子孫3代にわたってASD的な資質を持っていることになるが、最新の科学的研究によると、発達障害の中でも自閉症スペクトラム障害 (ASD) は遺伝性要因が強いといわれる。

 世界的に著名な画家・グラフィックデザイナーである横尾忠則は、『天才の秘密 アスペルガー症候群と芸術的独創性』(M. フィッツジェラルド著、世界思想社刊)の書評の中で、ウォーホルもアスペルガー的であったことに触れ、「彼は人格的に未成熟と指摘されるが、芸術の核はアンファンテリズム(幼児性)。芸術家なら幼児の純粋な視線を取り戻せるはずだ」(朝日新聞、2010/01/17)と分析した。

 横尾はまた、「この本は自分のことを書いているという妄想を呼ぶ」(同上)とも書いているが、確かに彼の作品を見ると、誰にも真似できないような独特の世界観を感じる。ASD的な資質があってこその才能なのだろう。

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