ラグビーボール型の惑星が存在した! 1年は4時間、強力すぎる重力で… 「極超短周期惑星」の最高に不思議な世界

■“ラグビーボール惑星”は今後も発見されるのか

「KOI 1843.03は、これまでに発見された中で最も鉄分が強化された太陽系外惑星の1つです」と研究チームのレスリー・ロジャーズ氏は天文学系メディア「Space.com」に話している。

 ちなみに太陽系で最も太陽に近い水星もその成分の70%が鉄というメタリックな惑星だ。しかしKOI 1843.03に比べればはるかに恒星からの距離は離れているため、ラグビーボール型になることを免れている。

「KOI 1843.03は、これまでに発見された中で最も非球体の太陽系外惑星です」(ロジャーズ氏)

 研究チームの分析によれば、KOI 1843.03の変形の度合いは1.3倍から最大で1.8倍に引き伸ばされた楕円体になり得ることが導き出されている。ちなみに鶏卵が約1.3倍であることから、かなり細長い形状であったとしてもおかしくない。

ラグビーボール型の惑星が存在した! 1年が4時間、強力すぎる重力で… 「極超短周期惑星」の最高に不思議な世界の画像3
画像は「Wikipedia」より

 このKOI 1843.03のように、地球上の1日以下で恒星の周りを公転する惑星は「極超短周期惑星(Ultra-Short Period Planet、USPPまたはUSP)」と呼ばれ、きわめてレアな天体であるのだが、研究チームはこれまでに発見されているほかの9つの極超短周期惑星のうちの4つが鉄分の多いメタリックな惑星であると指摘している。しかし同様に4つが“ラグビーボール惑星”であるかどうかについては予断を許さないという。

 研究チームはこのような“ラグビーボール惑星”を観測によって特定できる検出モデルの開発を将来的な課題にしている。長軸が恒星に向いている“ラグビーボール惑星”の影の変化を検知できれば、発見がこれまでよりは容易になるのだ。KOI 1843.03に続く“ラグビーボール惑星”が今後も発見されるのか引き続き注目していきたい。

参考:「Space.com」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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