ラグビーボール型の惑星が存在した! 1年は4時間、強力すぎる重力で… 「極超短周期惑星」の最高に不思議な世界
昨年は日本でのラグビー人気に火がついた1年だったが、この広い宇宙にはラグビーボールやアメフトのボールのような形をした惑星が存在するという。その惑星では1年があっという間に過ぎ去ってしまうというから興味深い。
■ラグビーボール状の太陽系外惑星「KOI 1843.03」
恒星の強力な重力の影響で引き延ばされてラグビーボール状になっているユニークな惑星があるという。普通ならそれほどの重力に引っ張られれば徐々に欠けていきバラバラになってしまうのだが、この“ラグビーボール惑星”は鉄分が多いメタリックな惑星なのでこのような形状が可能であるという。
地球から約395光年離れた場所に位置する太陽系外惑星「KOI 1843.03」は、地球の質量の約44%、地球の直径の約60%であることがこれまでの研究でわかっている。そしてこのKOI 1843.03は、その恒星であるケプラー974(KOI-1843)にきわめて近い軌道を超高速で公転しているため、なんと1年が4時間15分しかないという。
1年が4時間ちょっとしかないということで、恒星との間の驚くべき近接ぶりがうかがえるわけだが、そうであるとすれば恒星から受ける重力の影響も凄まじいものであることが容易にわかる。そしてハーバード・スミソニアン天体物理学センターとシカゴ大学の合同研究チームが「arXiv」に発表したところによると、恒星の重力の影響でKOI 1843.03はラグビーボール型をしているはずであるというのだ。
どうしてそのようなユニークな形状が可能なのか? 成分が岩石メインの惑星ではそのような重力に耐えられず、まさに“空中分解”してしまうはずなのだ。ということはKOI 1843.03は岩石がメインの惑星ではないことになる。
研究チームの分析によれば、KOI 1843.03を構成する成分には鉄分が極端なほど多いということだ。地球の約32%が鉄なのだが、KOI 1843.03は66%が鉄であると推定できるという。このようなメタリックな惑星であることで、ラグビーボール型の形状に変形しつつも恒星の周囲を公転する惑星として存続できているのである。
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