月は今も生きていて崩壊しそう? 43億年の時を経て現在“闘病生活中”と判明!

 我々の地球の衛星であるにはまだまだ謎が多い。一見不毛の大地のようで死の星にも思える月だが、最新の研究では、月はまだ生きていることが指摘されている。ミステリアスな地殻活動が現在も起きているというのだ。

 

■月面に新たな亀裂と隆起

 大気のない月は、我々が地球上から見てもその地形は丸見えだ。大気がないのでもちろん水や草木などとは一切無縁の死の大地が広がるばかりの月面だけに、死んでいる星と考えられている。つまり超巨大な岩石と同様の天体ということだ。

 だが最新の研究では、月面では新たな亀裂や山脈が絶えず形成されていることが報告されている。月はまだ“生きて”いて、地殻活動のような現象が起きているというのだ。

 米・ブラウン大学の地球環境惑星科学科のピーター・シュルツ教授と、スイス・ベルン大学のアドマス・バランティナス氏の合同研究チームが今年4月に「Geology」で発表した研究では、月面の地形を詳しく観察すると現在進行形で新たな亀裂や隆起が発生していることを突き止めている。月はまだ生きているのである!

「Mysterious Universe」の記事より

 月面の大部分はパウダー状の岩の粉末で覆われている。月面には耐えず宇宙空間の岩石や隕石が衝突しているため、月面の岩石はどんどん細かく砕けていくのだ。この岩石のパウダーはレゴリス(regolith)と呼ばれている。

 レゴリスが堆積しておらず、月の岩盤が露出している部分はほとんどないといわれているのだが、研究チームはNASAの月周回無人衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」が収集したデータを詳しく分析してみたところ、いわゆる「月の海(lunar mare)」の内部とその周囲にレゴリスが堆積しておらず岩肌が露出した部分があることが確認できたのである。

 レゴリスが堆積していないということは、その地形が新しくできたものであることを示している。つまりレゴリスが堆積するほどの時間がまだ経っていないのだ。

 そこでバランティナス氏は、LROが測定した月面の温度に着目した。例えば地球上のコンクリートで覆われた都市が緑の多い田舎よりも多くの熱がこもっているように、月の露出した岩盤とブロック状の表面は、月の夜を通してレゴリスで覆われた表面よりも暖かくなる。そこでバランティナス氏はLROが月の海の近くを横切った測定データを分析し、幅の狭い尾根に露出した岩盤があるスポット500以上を特定した。

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