韓国の「キムチ博物館」を村田らむが取材! キムチ、キムチ、キムチ尽くしの内容とは?
アートの裏にある研究室という小部屋では、乳酸菌を顕微鏡で見たり、勉強することができる。白人のお客さんがずいぶん熱心に見ていた。
上の階に進むと、またキムチを作る映像が流れていた。王宮向けに作っていた高級キムチを再現しているようだ。丸々と太った大根や白菜、ザクロ、青唐辛子などを漬け込んでいく様子は、見ていて楽しかった。こちらも白人の人が熱心に見ていた。
考えてみると、お客さんは僕らも含めて外国人ばかりだった。なるほど、京都の「サムライニンジャミュージアム」のような、主に外国人向けの施設なのだろう。
映像展示の横ではクダッタリという紙でできた人形も展示されていた。韓国の文化を紙の人形で表現しているようだ。キムジャン(キムチを漬け込む行事)をしている様子を作ったものだった。
韓国は、像や人形が好きである。多くの展示場には像や人形が展示してある。クダッタリの人形は、かなりオーバーなリアクションをしているタイプのものだった。
韓国のセックスミュージアムに展示してある、チョイエロ人形シリーズに似ていた。チョイエロ人形は、女子高生の前でコートを広げて男性器を見せている様子や、女の先生のスカートの下に鏡を突っ込んでパンツを見ようとしたりしている様子を立体化したもので、面白い。
それに比べたらテーマは真面目な人形だが、コミカルな表情で大きい白菜を運んだり、もんだりしている。
他にはカフェや休憩所があるくらいで、あまり見るものがなかったのはちょっと残念だった——と思っていたら、エレベーターの横に、『キムチウム』という施設があった。
入るためには受付でもらったカードキーが必要だった。ビッ!! と電子錠を開けて中に入る。ズラッとガラスの瓶が並んだ空間だった。なんとなくCMのようなオシャレな空間だった。キムチをはじめ世界の漬物が発酵して浸かっている様子が見られる施設だ。
まあ絵面的には面白いのだが、実際に食べられるわけでもないし、特に何をすることもない。まあ、いいか、出るか、と思ったら……ドアが開かない。
電子錠を開けたはずなのに、ドアが開かない。軽くパニックになって見ると、
「落ち着いて開けろ」
みたいな説明が書いてあった。さてはしょっちゅうあるんだな!! と思う。
それでは落ち着いて開けてみる……開かない。役に立たない説明書きだなあ。
おいおい、開かないよ!! といよいよパニックになっていると、向こうから白人のお客さんがやってきてドアを開けたので出ることができた。キムチトラップおそるべしである。
入れ違いに入ってきたスキンヘッドの白人さんに、
「ドアを閉めたら、開かなくなるから気をつけて」
と言いたかったが、オッサンの人種すらわからないから諦めた。幸運を祈る、アディオス。
最上階は、大きなキッチンがあったのだが中には入れなかった。キムチ作り教室などが体験できるらしい。別料金だし、そもそも開催されていなかったのだけど、韓国でキムチの作り方を学ぶとか少し面白そうだ。
自分流のキムチを作ってみるとか、それでせっかくだからみんなに食べてもらうとか。
たまに編集さんが主催したバーベキュー会とかがあると、
「自分で作ったタレなんですよ」
「昨日から漬け込んだ肉なんですよ、絶対美味いんで」
とか言って、グルメの腕を発揮しだす人いるが、そういう人にはもってこいかもしれない。
「韓国遊びで行ったときに、本場のキムチ作りを習う機会があって覚えてきて作ってみたの。うん食べて食べて。市販で売ってるやつより、発酵進んでるからちょっと酸っぱいけど。どう? どう? 美味いっしょ!!」
みたいな会話が聞こえてくるようだ。
そんな状況で、まずいなんて言えないんだよ!!
まあキムチに罪はないけど、そういう前のめりでバーベキューに参加する人はとても苦手なのでキムチの作り方を覚えるのはやめておこう。
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2024.10.02 20:00心霊韓国の「キムチ博物館」を村田らむが取材! キムチ、キムチ、キムチ尽くしの内容とは?のページです。韓国、村田らむ、ミュージアムキムチ館、キムチなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで