一部の視覚障害者は“見えないのに見えている”と判明! 謎多き「ブラインドサイト(盲視)」、意識の概念に大変革か!?

 視覚障害者の中には、目が見えないのに目の前にあるものを認識できる能力を持った人々が存在する。失明して形も色もわからないのに、通り道にある障害物を避けて歩くことができるのだ。この一見矛盾した現象は「ブラインドサイト(盲視)」と呼ばれ、心理学者や脳科学者らによって研究が続けられている。今なお謎の多いこの不思議な能力について、科学系ニュースサイト「Science Alert」(7月5日付)が報じている。

Some Blind People Can Still See, And Their Brains Could Help Explain Consciousness (Science Alert)

 ブラインドサイトを持つ患者の有名な実験映像がある。この患者TNは、二度脳卒中を患い、脳の視覚野を損傷して完全に失明した。介護者とともに姿を現したTNは、白杖なしで廊下をまっすぐ歩くように指示される。その道中には椅子やゴミ箱、三脚などといった様々な障害物が置かれているのだが、TNはそれらを見事に避けながら廊下を歩いていくのである。

 また別の失明した患者リックも似たような能力を証明している。彼は目の前に置かれたモニターに表示された物体を説明するという実験で、本人はあてずっぽうに話していただけのつもりなのに、その的中率は実に90%以上だったという。

 興味深いことに、TNもリックも、自分の目の前にあるものを認識していないと主張している。彼らは目の前にあるものを一切認識していないのにも関わらず、たくさんの障害物を避けて歩いたり、表示された物体の説明をしたりできるのだ。

一部の視覚障害者は見えないのに見えていると判明! 謎多き「ブラインドサイト(盲視)」、意識の概念に大変革か!?の画像1
画像は「Science Alert」より引用

 なぜこんな不思議なことが起こるのか? 眼球に入った光は脳の視覚野と呼ばれる領域で情報化されて認識されるが、この部分に損傷を負うと部分的、あるいは部分的に失明することが知られている。TNも脳卒中で一次視覚野に損傷を負い完全に失明したのだが、彼の場合、その他の領域では引き続き情報処理が行われており、脳が視覚の情報を処理していると考えられている。

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