九州豪雨の原因は湿った空気では説明できない! 電気的地球科学が明かす梅雨の本当のメカニズム、地震との密接な関係も

―― 物理・科学・IT専門家の平清水九十九が解説! 最先端「電気的宇宙論」からみた地球科学を紹介する!

 日本では毎年6月中旬から1か月間くらい雨の多い梅雨の季節に入る。じつは梅雨は中国南部から台湾、琉球、北海道を除く日本などに広く見られる季節的現象だ。梅雨が起きる仕組みは、北側にある冷たい大気の塊に、南から湿気を含んだ暖かな大気が流入してくることで雨になると説明されている。

画像は「tenki.jp」より。中国南部から台湾、琉球、日本列島にかけて雨雲がかかっている様子がわかる

 ところが、7月2日あたりから降り続いた九州の豪雨を見ると、湿気を含んだ空気がもたらしたにしては、多すぎる雨が降った。大分県新田市では半日で650ミリの降雨を記録した。これだけ大量の水分が空気に含まれて移動したのだろうか? 降雨量をレーダーで見ると強烈な雨が直線状に降り注ぐ、線状降水帯と呼ばれる現象が見られる。最近、観測技術が向上したため発見された現象だ。湿った空気が冷たい空気とぶつかって降るという説明は、かなり信じがたい。

 これは今年の6月8日に石垣島での大雨の際に記録されたひまわり8号の動画だ。12秒ごろから石垣島の上に急速に発達する雨雲が見える。周囲の雲が東に移動しているのに対して、急に現れた雨雲は石垣島の上から動かない。これがもし湿った空気と冷たい空気がぶつかって作られるのであれば、雨雲は空気の流れと一緒に移動するはずだが、そうはなっていない。

 ところで、電気的地球科学では以前の記事でも雨は空中で合成されると主張してきた。

 もう一度簡単に説明すると、空気中の酸素が太陽光の紫外線でオゾンに変化する。また大気中には数ppmの濃度で水素原子核―プロトンが存在する。オゾンとプロトン(水素イオン)が電子によって結合すると水が合成される、といった仕組みだ。そのため、雨が降ると酸素濃度が低下することがわかっている。

 一般に日差しの強い時のオゾン濃度は0.03~0.06ppmとされる。オゾン濃度は高度が高くなるほど増えていって、高度25km付近のオゾン層では20ppmほどになる。一方の水素濃度は0.5ppm程度だ。水素イオンは大気電流として電離層から少しずつ降りてくる。雨の材料は常に空気中に存在するのだ。足りないのは、オゾンとプロトンを結合させる電子ということになる。

 電気的地球科学では、地球の誘電体バリア放電モデルを主張している。電離層と地下の岩石に蓄えられた電子が、地殻、大気といった誘電体を挟んで放電しているというモデルだ。

地球の誘電体バリア放電モデル、自然現象のほとんどを放電現象として説明する

 雨、雷、台風、竜巻は大気中での放電が原因とされる。地震、火山噴火は地殻内部での放電現象だ。地震の場合は放電が岩石内部で起きて、圧電効果で岩石が変形する。雨の場合は、オゾン、水素イオンが放電で空気中に現れた電子によって結合される。

 一般には誘電体バリア放電は電離したガスを電極で挟んで、高周波電流をかけると、絶縁体であるガスを乗り越えて電流が流れる現象だ。誘電体バリア放電で空中に電子が現われるのは、原子と原子の間を玉突きのように電界のパルスが通るため、動きやすい電子がはじき出されるからだ。この電子が現われる場所は、誘電体バリア放電の周波数で決まる。一般に周波数が高いと電極から離れた位置に放電が起きる―電子が現われる。電極の間に挟むのは気体だけでなくガラスなどの固体でも放電が起きるのが特徴だ。

そこで、5月から起きた地表に近い地震を見てほしい。

2020年5月から2か月間に合った深さ20km以下の震源分布。画像は「USGS」より

 上の図だけではわかりにくいので、微小地震の分布をリアルタイムで表示するHi-net高感度地震観測網で7月1日から7日間の地震分布を見てみると、下のようになっている。赤い丸が地表近くで起きた地震だ。

画像は「Hi-net高感度地震観測網」より

 7月1日より7日間の微小地震の分布、赤い点は10kmより浅い震源を示す。九州熊本では線状降水帯とも一致している。

 黒い線で囲んだ部分は、今回特に雨が多かった地域に相当する。下の図では土砂災害危険度を示しているが累積降雨量を表す図としてみると、微小地震の分布と合致している。

土砂災害危険度の分布。画像は「tenki.jp」より

 ではなぜ、この7月の時期に雨を降らせる電子が地下から湧いてきたかといえば、地球の傾きが原因といえる。6月の夏至をピークにして太陽高度は78.4度付近になるが、このとき地下の電子は太陽に引き付けられて地表に近づいていることが予想される。すると誘電体バリア放電の放電の位置が上にずれて、地表から数キロに電子が大量に現れる。

レーダーで測定した雨雲の高さ。おおむね高度8キロより上に雨雲がある。画像は「http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/radar/」より

 地表近くの微小地震と降雨地帯が重なっているのは、誘電体バリア放電による電子の発生が雨と地震で同じであるからなのだ。7月8日現在、梅雨前線は日本列島の南に下がった。地下の電子の移動が前線を動かしている。Hi-netを見ると24時間以内の微小地震が減少している。電気的地球科学では、このまま梅雨が明ける可能性が高いと予想する。

文=平清水九十九

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