トランプの陰謀論をケロッピー前田が徹底検証! ヒラリーの私用メール問題がトランプを勝たせた!?

 改めて、ヒラリーの私用メールの流出によって、今まで絶対に表に出ることがなかった闇の政府の真実が暴かれたのである。アメリカの現代史においても最も貴重な資料となるである文書が“詩”としてアートギャラリーに展示されているところが素晴らしい。

 このヒラリー展開催に際しても、多くの困難や妨害もあっただろう。そればかりか、ヒラリー本人が展示会場を訪れて、巧妙に政治的なパフォーマンスに仕立ててみせたのだ。アメリカVOXニュースは「いまだに大統領になることを諦めきれないヒラリーが、大統領選挙のシーズンが始まるタイミングで自らの存在をアピールしている」と痛烈な批判を寄せている。

 それでも、アートというものが、表現の自由を担保する場として守られるべきなのは、まさにこのような作品を展示するためにある。素晴らしい作品とは迷いなく、すっと感覚と身体に入ってくるものなのである。この絶好のタイミングで貴重な現場を訪れることができたのは、カウンターカルチャーを追うジャーナリストとしてのプライドである。

画像は「Time」より引用

 再び、2016年のアメリカ大統領選に戻ろう。

 ヒラリーの私用メール問題は、もともとは2012年9月11日、リビアのベンガジで駐リビア大使クリス・スティーブンスを含む米政府関係者4人がテロリスト集団に殺害される事件が起こり、その責任を追及する過程で発覚した。

 このベンガジ事件を調査したのは下院特別委員会で、2014年にはヒラリーに私用メールの提出を命じている。同年12月、ヒラリーは約3万通のメールをプリントアウトした5万ページの書類を提出している。これがのちに情報公開法の請求に基づいて提供され、さらに別ルートから入手されたメールを加えたものが、ウィキリークスで公開されており、筆者が取材したアートギャラリーに展示されていたものである。

 7月2日、ヒラリーは私用メール問題に絡み、FBIによる3時間半に及ぶ事情聴取を受けた。ヒラリーは、国務長官でありながら、公務に私用メールを用いたことから国家機密を漏洩のリスクにさらし、それだけで投獄され得る重罪であった。

 にもかかわらず、ジェームズ・コミーFBI長官は「刑事起訴にあたらない」とし、ロレッタ・リンチ司法長官も「FBIの判断を受け入れる」と発表した。ヒラリー陣営による政治的な圧力がかけられたことは明らかだった。なぜなら、ここでヒラリーが有罪となれば、大統領選挙への出馬は不可能となるからである。

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