トランプの陰謀論をケロッピー前田が徹底検証! ヒラリーの私用メール問題がトランプを勝たせた!?

 11月8日、選挙投票日の夜、すでにアサンジはトランプ勝利を確信し、4ヵ月におよぶウィキリークスの戦いを振り返っている。

 彼は今回のリークについて「公共の知る権利」を守るというWikiLeaksの創立の理念に乗っ取ったものであるとし、誰が当選するかにかかわらず、今回の選挙の本当の勝利者は「私たちが提供したものをより良く知ることができたアメリカ国民である」と主張している。また、アサンジは個人的には緑の党のジル・スタインを支持していたと語る一方で、ウィキリークス自体は特定の候補者を応援するわけではないとした。

 さらに、ヒラリー陣営のロシア陰謀説を根も葉もないこととし、そのことはウィキリークスの情報公開を妨害することは全くできなかったと切り捨ている。

 ちなみに、ウィキリークスのジュリアン・アサンジは、2019年4月11日、エクアドル大使館に踏み込んできたロンドン警察によって逮捕された。現在も英国内で投獄されており、彼の健康状態が危ぶまれている。

 驚くべきは、アメリカの強制送還されれば無期懲役と言われ、ロンドンのエクアドル大使館で約7年間のろう城生活を耐え抜いたが、その間に担当の女性弁護士との間に、2人の子供を儲けていたことだろう。


 トランプ大統領誕生後、ヒラリーはウィキリークスによる数々のメールリークは、ロシア諜報部による陰謀であり、それらはロシア政府によって意図的に改ざんされた上で公開されているとした。さらに、トランプ陣営に、ロシア政府に選挙協力を依頼していたという疑いを向けた。これがロシアゲートである。

 そして、もうひとつ、ヒラリーがロシアゲートにこだわる理由として、2016年7月10日に起こったセス・リッチ射殺事件があった。セス・リッチは民主党職員で、彼の射殺事件も未解決のままである。一説には、ヒラリーの私用メール問題とは別に巻き起こった民主党委員会からの大量のメール流出については、セス・リッチがウィキリークスに提供したのではないかと言われている。もし、リッチがヒラリーの告発者であったなら、誰が彼の死を望むだろうか?

 2016年11月9日、めでたく、トランプ大統領が誕生した。だが、そこからが次なる戦いの始まりだった。大統領選挙後も続く、ヒラリー陣営との泥沼の戦いを追う。

(つづく)

参考:「Time」「The Washington Post」「ABC News」ほか

文=ケロッピー前田

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

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