番長皿屋敷・お菊さんは各地に出没する!? 怨み深いお菊か、アイドル系か…ドラマ「妖怪シェアハウス」登場妖怪を民俗学者が解説！

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　ある男が町内の隠居から、皿屋敷には今でもお菊さんの幽霊が出るという話を聞く。興味津々で見物に行こうとすると、お菊さんが皿を数えるのを8枚まで聞くと熱病に犯され、9枚まで聞くと狂い死ぬので、6枚で帰れと教えられる。

　実際に皿屋敷に見に行くと、お菊さんはかなりの美貌で、怖いもの見たさ、美人見たさで大評判となり、そのうち興行主まで現れる。この噺でお菊さんは「会いに行けるアイドル幽霊」という設定なのである。

　そんなある夜、お菊が6枚まで数えたとき、追っかけたちが逃げ帰ろうとしたところ、お菊さんは9枚を過ぎても皿の数を数え続ける……。オチはだいたい想像がつきそうだが、このあたりにしておこう（ちなみに落語の「皿屋敷」では、“上方落語四天王”のひとり三代目桂春団治のものが名演です）。

　第二話に登場するお菊さんが、古典的で怨み深いお菊さんか、落語のようなアイドルとして描かれるのかが、個人的には大きな見どころだ。

文＝畑中章宏

畑中章宏

1962年、大阪生まれ。民俗学者・作家。
著書に『災害と妖怪』（亜紀書房）『天災と日本人』（ちくま新書）『21世紀の民俗学』（KADOKAWA）『死者の民主主義』（トランスビュー）など。民俗学をベースに災害や妖怪、民主主義など現代の問題を論じる気鋭の民俗学者。最新刊『関西弁で読む遠野物語』が発売中。

ツイッター：@akirevolution

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