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「日本最恐の嘘つき凶悪殺人鬼女」吉田純子の事件が怖すぎる！埼玉愛犬家連続殺人事件並みの異様さ…事件ライターが紹介！

2020.10.02 16:00 文＝深笛義也

　ホラから殺人に。それは2件目も同じだった。

看護専門学校時代の友人、石井ヒト美に、夫が浮気して女から借金していると純子はホラを吹き、その処理のためとして750万円を巻き上げたのが、1994年。それがきっかけでヒト美は夫と別居し、3人の息子とともに実家で暮らすようになる。

　1999年、別居した夫が、浮気相手に貢ぐために人を騙して金を巻き上げ、そのために自殺者が出ているとホラを吹き込み、純子はヒト美に夫の殺害を納得させる。

　長男の高校進学のことで相談したいと、3月27日、ヒト美は夫を実家に呼び寄せた。催眠効果のあるベゲタミンが入ったカレーライスを、「苦い、タマネギの腐ったごた味がする」と言いながら夫は完食した。

　夫が眠り込んだ午後10時、純子、美由紀、和子が入ってくる。夫が酒好きなので、急性アルコール中毒に見せかける計画だ。鼻から胃に通したマーゲンチューブで、ウイスキーボトル2本分を流し込む。深夜零時過ぎ、心臓が止まった。救急車に乗り込む時に、夫は息を吹き返したが、病院の集中治療室で死亡が確認された。

自殺者の遺族への慰謝料として必要だとして、死亡保険金3257万円、さらに夫の退職金から3000万円を純子は手に入れた。

　高級マンションに住み、高級エステに通い、小学生の娘にまでフランス製の香水をつけさせタレント養成の芸能プロダクションに通わせる純子には、金がいくらあっても足りない。

　次に標的にされたのが美由紀の82歳の実母。ヒト美がインシュリンを打つ計画だった。探偵事務所の者と偽って家に上がり込むことには成功したが、注射器を刺す際に抵抗されて失敗に終わった。

　純子は、ヒト美の実父の300坪の土地を手に入れることを画策。だがその提案に苦慮ししたヒト美は伯父に相談した末、警察に出頭し、夫殺しを自白。福岡県警の捜査で全貌が明らかになり、純子、美由紀、和子も逮捕された。

　2010年3月18日、最高裁にて、吉田純子への死刑が確定。2016年3月25日、福岡拘置所で、死刑が執行された。

「地獄への道は『善意』で敷き詰められている」という西欧の格言があるが、地獄への道がホラで敷き詰められている場合もあるのだ。　

★フジテレビ系　10月4日（日）20時から『実録ドラマ３つの取調室～埼玉愛犬家連続殺人事件～』放送。

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文＝深笛義也

深笛義也

1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか？革命か？それが問題だ！』『女性死刑囚』『労働貴族』（すべて鹿砦社）、『罠: 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった』(サイゾー)がある。ほか、著書はコチラ。
Twitter：@giyagiyagiya

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