「ビッグバンの前に宇宙も宇宙人も存在した」ノーベル賞科学者ペンローズが主張!
「ビッグバンの前に宇宙も宇宙人も存在した」ノーベル賞科学者ペンローズが主張! 前世の宇宙と共形サイクリック宇宙論とは?
「ブラックホールの形成が一般相対性理論の強力な裏付けであることの発見」したことが評価され、今年のノーベル物理学賞を受賞した英オックスフォード大学のロジャー・ペンローズ卿であるが、同氏は宇宙が始まったビッグバン以前に宇宙があったとも主張している。
英紙「The Independent」(10月8日付)によると、ペンローズ卿がビッグバン以前の宇宙が存在すると主張する根拠は、大学の後輩でもある故スティーブン・ホーキング博士にちなんで名づけられた「ホーキング・ポイント」にあるという。これは簡単に言えば、前世の宇宙の痕跡である。
ペンローズ卿は「共形サイクリック宇宙論(conformal cyclic cosmology、CCC)」と呼ばれる理論で宇宙の生成消滅過程を考えている。これは、宇宙が無限の誕生と消滅を繰り返す永遠の円環であるとする超壮大な物語だが、この宇宙には前宇宙のブラックホールから転送された熱的放射である「ホーキング放射」の残滓が残されているというのがペンローズ卿の主張である。実際にペンローズ卿は2018年に発表した研究で宇宙マイクロ波背景放射(cosmic microwave background、CMB)のデータからホーキング・ポイントが存在することを証明してもいる。
「われわれの宇宙は膨張して膨張して、質量が減退していくという私のクレイジーな理論では、遠い未来が次の宇宙のビッグバンとなるのです。ですから、われわれの宇宙の始まりとなったビッグバンは、前の宇宙にとっての遠い未来だったのです。そこではホーキング放射によって蒸発するブラックホールがあり、ホーキング・ポイントと呼ばれる点を空に生み出しました」(ペンローズ卿)
しかし、共形サイクリック宇宙論に異を唱える科学者も多く、ペンローズ卿が言うように、まだ「クレイジーな理論」の域を出ていない。とはいえ、こうした批判に対し、ペンローズ卿は、ブラックホールもまたその存在が証明されるまで机上の空論だと思われていたと指摘している。
「当時の人々は非常に懐疑的で、ブラックホールが受け入れるまで長い時間がかかりましたが、その重要性は部分的にしか評価されていないと私は思っています」(ペンローズ卿)
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