2つの異なる時間が重なる「シュレーディンガーの時計」は存在した! 実験で量子力学と相対性理論が融合へ!?

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 箱の中のネコは“生きてもいれば死んでもいる”という、量子力学の不可解さを体現する思考実験が“シュレーディンガーの猫”だが、ネコならぬ“シュレーディンガーの時計”が現実に作れるかもしれないというから驚きだ。いったいどういうことなのか。

■“シュレーディンガーの時計”で量子力学現象の解明へ

 特殊相対性理論と一般相対性理論を確立した現代物理学の父、アルベルト・アインシュタインが話題にした「双子のパラドックス(twin paradox)」は、物理学で最も有名な思考実験の1つである。

 双子のうちの兄は宇宙旅行に旅立ち、光速に近い速度を出す飛行船で宇宙を物見遊山。満足して地球に戻ってきて家に帰ると、そこで会った弟がすっかり老け込んでいてビックリ仰天! というのが話のあらましだ。

 双子の間に生じた年齢差は「時間の遅れ(time dilation)」と呼ばれる現象の結果である。これは、アインシュタインの特殊相対性理論によって説明されており、移動速度が速いほど、時間の流れが遅くなるのである。

 では、この双子のパラドックスの話に量子論を当てはめてみるとどうなのだろうか。

 英・セントアンセルム大学のアレクサンダー・スミス氏と米・サンタクララ大学のメディ・アフマディ氏による合同研究チームが2020年10月に「Nature Communications」で発表した研究はこのテーマに取り組み、量子的“重ね合わせ(superposition)”に置かれている量子原子時計(quantum atomic clock)の時間を計測することを想定している。

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「Scientific American」の記事より

“重ね合わせ”とは量子力学ならではの独特の現象で、2つの異なる状態にある物質が、同じ場所に同時に存在している現象である。

“生きてもいれば死んでもいる”2つの状態のネコが箱の中にいるのだが、箱を開けて観察した瞬間にネコの生死が決定されるというのが有名な“シュレーディンガーの猫”だ。

 そしてこの逆パターンもある。「量子もつれ(quantum entanglement)」の状態にある2つの量子(粒子)は、物理的にどんなに引き離したとしても分かちがたく結びついており、一方の状態を測定するとただちにもう一方の粒子の状態に影響を及ぼすことで知られている。

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