韓国ドラマは全て「ウソ」なのか ―― 韓国の悲惨な現実『韓国の若者』著者・安宿緑が語るヘル朝鮮の詳細

■自殺率の異常な高さ

画像は「Getty Images」より引用

ーーそれだけ苦しい状況だから、韓国では精神疾患に罹患する若者が多いんですね。

安宿緑 この5年で大幅に増えています。2019年の統計では、パニック障害、不安障害、うつ病、躁うつ病の疾患の増加率すベてで、20代が1位でした。

 一応うつ病に対するケアなど社会的喚起はありますが、根本的な解決にはなっていません。また、若者の自殺率がすごく高いです。

ーー韓国はOECD諸国で自殺率がトップ。10代、20代の自殺率が増加しているんですね。(韓国統計庁「2019年死亡原因統計」

安宿緑 韓国では「入水自殺に備える」という意味の「漢江の水温チェック」という言葉が流行ったくらい自殺が多いです。でもなぜか、中卒と、大学院卒の人の自殺率だけが低いんです。どちらか極端に振り切れているといいのかもしれません。

 若者の自殺も問題なのですが、実はもっとも高いのは老人の自殺率です。80代男性の自殺率が非常に高いんです。韓国は年金を支給されていない老人が多いので、若者は親に頼ることができますが、独居老人は生活保護でない限り本当に悲惨な生活になります。ごみ拾いをしたり、老人に弁当を宅配するボランティアに頼って、なんとか食いつなぐしかありません。相互扶助によってギリギリのところでなんとか持っている社会なんです。

つづく

画像は「Amazon」より引用

■安宿緑

東京都生まれ。ライター、編集者。東京・小平市の朝鮮大学校を卒業後、米国系の大学院を修了。朝鮮青年同盟中央委員退任後に日本のメディアで活動を始める。2010年、北朝鮮の携帯電話画面を世界初報道、扶桑社『週刊SPA! 』で担当した特集が金正男氏に読まれ「面白いね」とコメントされる。朝鮮半島と日本間の政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様と心の動きに主眼を置く。韓国心理学会正会員、米国心理学修士。著書に『実録・北の三叉路』(双葉社)

TOCANA編集部

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