「DNAとRNAは“同時”に地球に出現した」最新研究が興味深い! 生命の起源とカギを握る「DAP」、地球外の要素は?

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■生命の起源についての洞察は化学や生物学に大きな貢献をする

 これまでの生物学では“RNAワールド仮説”が支配的であった。RNAワールド仮説は、はるか昔の原始的な生命が生まれた時期において、まずRNAが自己複製系の“主役”であり、その後進化の過程で遺伝情報保持の役割はDNAへと、酵素活性の役割はタンパク質へと推移してきたとする説である。つまり「RNAが先」であるとする説だ。

 しかし今回の研究でRNAワールド仮説が大きく揺さぶられることになった。RNAが最初に地球上で生命を生み出したという考えの大きな問題の1つは、RNAが単独で自己複製プロセスを通過できたのかという問題だ。今回の研究で行われた実験では、RNA単独よりも簡単に分離できる「キメラ」分子鎖を作成するためにDNAの助力があった可能生が示唆されるものになった。つまりRNAが“主役”であった時代にもDNAは存在し、重要な役割を担っていたというのだ。

 研究チームによって実施された一連のラボ実験では、地球での生命の始まりの前に起こったかもしれないことをシミュレートし、DAPがどのように簡易的なDNAを形成できたかが示されている。

「驚いたことにDAPをデオキシヌクレオシドに反応させると、実際のDNAのようにAとT、またはGとCなどの異なるDNA情報が混在している場合に、より効果的に働くことがわかりました」と研究チームのエディ・ヒメネス氏は語る。

 とはいえ地球上の生命誕生は数十億年も前の話ではある。RNAが地球上で最初の生命体をもたらすのに、DNAが役に立ったのはどうか、現状では確かめる術はないのだが、これらのプロセスについての我々の理解が深まってきていることは確かだ。

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 この研究は、生命の起源とどのように関連しているかという点でも役立つだけではなく、こうしたRNAとDNAの関係についての洞察は、現代の化学や生物学の発展に大きな貢献を果たす可能性があるという。

「この研究は、原始的な化学がどのようにして最初のRNAとDNAを形成したのか、そしてリボヌクレオシドとデオキシヌクレオシドの構成ブロックの混合物を使って、どのようなキメラ分子が形成されるか、そしてそれらが自己複製して進化できるかどうかを調べることができるようになりました」(クリシュナムルティ氏)

 こうした生命の起源に迫る研究の進展には期待するばかりだが、はたしてそこに“地球外”の要素があるのかどうかについても気になるところだ。

参考:「Science Alert」ほか


文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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