地球上の生命は雷によってもたらされた!? イェール大「数千億回の落雷が“封印”を解いた」… 隕石衝突説を凌駕か!

 地球上にどのようにして命の息吹がもたらされたのか。最新の研究によれば、地球に生命をもたらしたのは“雷”であるという。

■落雷が地球上のリンの封印を解いた

 我々の暮らす地球は、もちろん最初から今のように生命に満ち溢れていたわけではない。では、地球上にどのようにして生命がもたらされたのか。

 米イェール大学と英リーズ大学の合同研究チームが2021年3月に「Nature Communications」で発表した研究では、数十億年前の地球において数千億回の落雷がリンを放出し、生命誕生のきっかけを作ったことを報告している。

 研究チームはこれらの「空からの稲妻は、地球上の生命の基礎となる生体分子の作成に必要なリンのロックを解除した」と言及。リンは生命の形成に必要な重要な成分だが、何十億年も前の地球上では鉱物の中に閉じ込められた状態のままだったので、アクセスしようがなかった。しかしこの閉じ込められたリンが落雷によってその封印を解かれたというのである。

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「Daily Mail」の記事より

 この発見は、科学者が地球上の生命が最初にどのように形成されたかを理解するのに重要なヒントをもたらすものになる。

 今回の研究テーマは、地球のリンが生命に必要なDNA、RNA、およびその他の生体分子の作成を支援するために、どのようにして利用可能な形になったのかについてである。

 地球上の生命の出現は、重要な成分の正確な“カクテル”に依存していた。その1つは、生物学的に利用可能な反応性リンである。

 科学者たちは最初に隕石、つまり小惑星や彗星など、地球の表面に落下する宇宙由来の岩の塊に注目していた。隕石由来の鉱物であるシュライバーサイト(schreibersite)を含む宇宙からの岩石が、生命に必要な条件を作り出すのに十分な頻度で地球の表面に衝突したという考えである。

 しかし、隕石理論の欠点はその頻度にあった。生命の誕生には、当時地球に落下したと考えられているよりも、相当多くの宇宙由来の岩石が必要であったのだ。

 生命が始まったと考えられている35億年から45億年前の時期に、地球上での隕石の衝突の頻度は逆に激減していたのである。

 しかし、シュライバーサイトで見つかったリンの供給源は他にもあったのだ。

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「Daily Mail」の記事より

■落雷が年間110~1万1000kgのリンを利用可能にした

 論文主筆のベンジャミン・ヘス氏によると、シュライバーサイトは、落雷時に形成される閃電岩(せんでんがん、fulgurite)と呼ばれる特定のガラスにも含まれるという。そしてこの落雷から得られたガラスに含まれているリンは水に溶ける可溶性のものであったのだ。

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閃電岩 「Daily Mail」の記事より

 チームは、生命が最初に現れ始めたときに地球上にどれだけの落雷があったかを調べるためにコンピューターモデルを作成した。

 リーズ大学のヘス氏と共著者のサンドラ・ピアゾロ氏、ジェイソン・ハーベイ氏は、初期の地球では毎年10億から50億回の稲妻が発生したと推定している。

 研究チームは繰り返しの落雷が閃電岩のガラスを生成し、それが可溶性のリンを放出し、火山池のような水域で濃縮したのだと結論づけている。

 計算によれば当時から毎年1億から10億の稲妻が地面に落ちていたという。今日の地球は、年間約5億6000万回の雷が発生しているということだ。

 研究チームは、1回の落雷によって生成された可能性のあるシュライバーサイトの量と、初期の地球の適切な土地面積を推定することにより、落雷が年間110~1万1000kgのリンを利用可能にしていた可能性があると計算している。

 こうして蓄積された利用可能なリンは、最初の生命体に“燃料”を供給するのに十分であり、こうして生み出されたリンの量は隕石の衝突によるものを超えた可能性がある。

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