アマゾン禁書政策、トランス支援、有権者ID…バイデンら偽善リベラリストによる「反リベラル管理社会」の到来を警告!(東京大学・三浦俊彦教授)

 当事者の主観に寄り添った体裁を装って当事者から批判的思考の機会を奪い、マイノリティの窮状を長持ちさせて異議申し立て活動に利用し続ける。この政治戦略は、いろいろな場面に共通して現われる傾向です。アマゾンの禁書政策が、アメリカの選挙制度をめぐる政治的騒動とまったく同じ構造を持つことを観測しておきましょう。

 アメリカのジョージア州で3月25日、投票制限の州法が可決されました。これに対し、コカコーラやデルタ航空、アップルなど250社以上の企業が反対を表明し、MLB(アメリカ大リーグ機構)は4月2日、「7月のオールスターゲーム開催をジョージア州アトランタからよそへ移す」と発表。選挙法改正を強く非難していたバイデン大統領はこうした反対運動に賛意を表明。対して、トランプ前大統領は選挙法改正を支持し、ジョージア州をボイコットした企業を逆にボイコットせよと、不買運動を呼びかけています。

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画像は「getty images」より

 ジョージア州選挙法改正の主な内容は、不在者投票(郵便投票)で身元確認を必須とする、というもの。選挙不正防止のためには公的身分証(ID)提示は当然だ、というのが改革派の意見です。対して反対派の主張は、黒人などマイノリティにはIDを持たない人が多いので、選挙法改正はマイノリティ差別にあたる、というものです。

 この「有権者ID法」をめぐる争いは、アメリカ各州で以前から続いてきました。投票時にID提示を義務づける法律のある州では共和党が有利、ない州では民主党が有利という傾向があるため、選挙のたびに論争が蒸し返されるのです。不法移民受け入れをめぐる対立も、IDで管理された民意を正しく選挙結果に反映させたい共和党と、IDを持たない層の支持によって優位に立とうとする民主党、と対比させるとわかりやすいでしょう。

 アメリカでは、IDを持たない人は、投票できるできない以前に、銀行口座を開くこともできなければアパートを借りることもできず、コンビニで買い物もできません。だから「ID申請できない事情のある人々」が国内に多数存在すること自体が大問題であるはずです。ジョージア州に抗議したデルタ航空も、IDのない人を飛行機に乗せはしません。アップルもIDなしでは登録不可能。大リーグの観戦チケット購入にもID提示が必要です。そんな企業や事業者が「選挙にID求めるのは差別!」とは、偽善も甚だしいでしょう。

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