アセンションとは一体何？ 脳科学でわかった「次元上昇」の行先と方法…高次元へのアクセスは可能！

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■うつ病治療における薬物の医学的使用の可能性

　研究チームは実験参加者にサイケデリックス状態を誘発することが知られている3つの薬（シロシビン、ケタミン、LSD）の1つを投与し、脳イメージング機器を使用して脳内に生成された小さな磁場を調べた。そして3つの薬のいずれにおいても、この意識レベルの測定値（神経電気信号の多様性）が一貫して向上していることが確認されたのだ。

　研究者たちは、これはサイケデリックス状態が「より良い」または「より望ましい」意識状態であることを意味するものではないことを強調している。サイケデリックな脳の状態は際立ったものであり、信号の多様性の単純な数学的測定を使用することにより、意識レベルの他のグローバルな変化（睡眠時、麻酔時など）に関連付けることができるという。

　今回の研究結果は、重度のうつ病の治療などにおける薬物の医学的使用に関する議論の深まりに役立つ可能性があるということだ。

「現在の研究の結果は、サイケデリックス意識の拡大を経験したときに人々の脳で何が起こるかを理解するのに役立ちます。人々はこれらの物質を使用するときに“洞察”が得られていると頻繁に報告し、これが治療環境で発生すると有益な結果を予測することができます。今回の発見は、それがどのように可能であるかを理解するのに役立つかもしれません」とロンドンインペリアルカレッジのロビン・カハート・ハリス博士は語る。

　再びセス教授によれば、今回の研究は潜在的な医療アプリケーションに情報を提供することに加えて、意識レベルと意識内容がどのように関連しているかについての科学的知識の獲得に貢献するという。

「被験者のサイケデリックス体験の強度と信号の多様性の変化との間に関連性があることを発見しました。これは、私たちの測定基準が、薬によって引き起こされる全体的な脳の変化だけでなく、特定の種類の意識的な経験を支える脳のダイナミクスの特徴にも密接に関連していることを示しています」（アニル・セス教授）

　研究チームは現在、脳内の情報の流れの特定の変化が幻覚などのサイケデリックな体験の特定の要素をどのように裏付けているかを理解することに力を注いでいる。まだまだ謎の多い我々の意識について僅かずつではあるがこうして着実に理解が深まっているようだ。

参考：「Collective Evolution」ほか

文＝仲田しんじ

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