自殺の名所で最強心霊スポット「東尋坊」の全てを村田らむが取材! 樹海専門家が歩く“恐怖の崖”は…
船を降りて東尋坊の観光地をしばし歩いた。一番目立つ場所はかなりオシャレに整備されている。これも自殺防止の一環だとか。
「あ、スターバックスがある」
と思って近づくと、ちょっと違った。『IWABA CAFE』だった。確かに岩場に建っているコーヒーショップである。
ただ奥へ歩いていくと段々、昭和っぽい雰囲気になっていく。
お土産屋さんや食堂が並んでいる。イカを焼く香ばしい匂いが漂ってきた。
そんな東尋坊の観光地の中で一番目立つのが東尋坊タワーだ。高さ55mの立派なタワーだ。なんと個人が建てた塔だという。竣工は東京オリンピックがあった1964年だから、もう半世紀以上ここに建っているのだ。
館内に入ると、畳敷きのベンチが並んでいたり、いかにも古い喫茶コーナーがあり「東尋坊」「FUKUI」と書かれたキャップや、おかめや鬼の面もある。ばっちり昭和だ。
「ボク東尋坊」
としゃべる子坊主のキャラクターが描かれていた。お前知らないかもしれないけど、酒飲まされて崖から突き落とされるんだぜ。
せっかくなので500円払って展望台へ行くことにした。事前に
「特に何もない」
という情報は聞いていたのだが、それでもまあ景色は見られるしいいだろうと思った。
ゆっくり進むエレベーターを降りると、熱気でムッとしていた。
「え? 何もないってクーラーもないの?」
とちょっと驚く。扇風機がカラカラと回っていた。有料望遠鏡、メダル製造機、占いマシンと、タワーの中に置いてありそうな機械はあった。あっても使わないけど。
珍しいのは、布袋の像だ。通天閣の上にはビリケン様が安置してあるが、それと同じような感じで布袋様が飾ってある。
布袋様は、七福神の一人、弥勒菩薩の化身と言われることもある、デブハゲ半裸の神様である。ちなみに実在の人物と言われている。
縁起の良い像なのだが、これがめっぽう怖い。しかも3体もある。
ニヒ−と笑った布袋さんに5人の小さな子どもたちがすり寄っている像。その隣の布袋さんは顔面の真ん中に大きな亀裂が入り、その隙間に小銭がいくつもねじ込まれている。
軽くトラウマになりそうな像だ。
説明書きには、
『東尋坊タワーの開館当時から、
展望台に鎮座していらっしゃいます布袋様
初めて見る方は、ちょっと不気味? かわいくない? と思われるかもしれません(笑い)
しかしこの布袋様……ちょっとしたご利益があるんですよ〜
いつの間にか人づてに噂が広まり、ちょっとした有名人に!! 最近ではわざわざ布袋様目当てにいらっしゃるお客様も。
カップルが一緒になって布袋様を撫でるとお二人が結ばれるとか……
もちろんシングルの方にも素敵な良縁を運んでくれるとか……?!
ぜひ皆さんも一度ためしてはいかがですか? 布袋様のパワーをもらって帰ってね。』
とのこと。
東京オリンピックの頃から撫でられていたわりには、表面の塗装がはげていない。みんなやっぱ触るの躊躇してるんじゃないの? と思ったりする。
布袋様の隣には、仏像が安置してあった。これはどんな由来じゃい? と思って見てみたら、東尋坊で自殺した人を弔う仏像だった。
なんでも、創業者が亡くなられた方々のご冥福をお祈りするために東尋坊が一望できるここ展望台に仏様を安置したとか。
布袋様との温度差がありすぎて風邪ひきそうになった。
その日は、一旦ホテルに帰った。
2日後、たまたま福井で用事があった知り合いと合流した。レンタカーで来ていたので便乗させてもらった。
目的地は、船から見た雄島である。
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2024.10.02 20:00心霊自殺の名所で最強心霊スポット「東尋坊」の全てを村田らむが取材! 樹海専門家が歩く“恐怖の崖”は…のページです。福井県、東尋坊などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで