　少年時代にUFOを目撃したゲラーだったが、青年となった彼はイスラエル国防軍（IDF）で空挺部隊の兵士になった。そして第三次中東戦争に従軍し、エルサレムの戦いで負傷した後、次のキャリアは男性モデルだった。しかし、スプーンを曲げる“超能力”を見せて写真家に感銘を与えると、彼はすぐにセレブたちのパーティーに招かれるようになった。

ユリ・ゲラーがNASAの冷蔵室で見たヤバすぎるものとは!? 「呼吸するUFO」の破片と… 宇宙飛行士や元ナチス技術者による極秘案内の画像1 — 「The Jerusalem Post」の記事より

「人々は私が何をできるか見たがりました。時が経つにつれ、将軍まで参加するなど、ハウスパーティーはより権威のあるものになりました。そしてある日、ゴルダ・メイア（第5代首相であり同国初の女性首相）がそこにいたのです」（ユリ・ゲラー）

　ゲラーは当時の首相に自分の能力を披露するため、首相にトイレの個室で紙に何かを描いてもらった。メイアは誰も彼女の心を読むことなどできないと主張したにもかかわらず、ゲラーは首相が描いた絵とまったく同じ絵を描いたのだ。

「翌日、ラジオに出たメイアは、国家の将来についてどう思うか尋ねられました。すると彼女は『私に聞かないで、ユリ・ゲラーに聞いてください』と言ったのです。そこから全てが始まりました」（ユリ・ゲラー）

　この一件からゲラーの人気は急上昇した。1970年代初頭にアメリカの諜報機関によってゲラーの超能力が科学的に研究されていたことは、機密解除されたCIA文書などから明らかになっている。そして、時を同じくしてゲラーは多くのメディアに露出し、人々の注目を集めるセレブになったのだ。

ユリ・ゲラーがNASAの冷蔵室で見たヤバすぎるものとは!? 「呼吸するUFO」の破片と… 宇宙飛行士や元ナチス技術者による極秘案内の画像2 — 「The Jerusalem Post」の記事より

■NASAの冷蔵室で見せられたものとは？

　ゲラーとCIAの関係については機密解除された文書で明確になっているが、ゲラーがNASAと関係があったことはあまり知られていない。

　ゲラーは、1971年にアポロ14号のミッションで月面着陸を果たした宇宙飛行士エドガー・ミッチェルと出会い、交友を深めることになった。この友情は、ミッチェルが2016年に亡くなる前まで続いた。そしてミッチェルはゲラーにドイツ生まれのアメリカの航空宇宙エンジニアであるヴェルナー・フォン・ブラウンに会うように進言した。

“ロケット工学の父”とも呼ばれているフォン・ブラウンは元ナチス党員であり、第二次世界大戦下のイギリスを震え上がらせたロケット兵器「V2ロケット」を作ったエンジニアである。終戦後にアメリカ政府はフォン・ブラウンを利用できると考え、アメリカ本土に連れてきてロケット開発に携わらせたのだ。

「ケネディはフォン・ブラウンの知識を利用するためにアメリカに連れて行きました。私は最初彼に会うのをためらいました。…（中略）…しかし結局、私は好奇心に負けました」（ユリ・ゲラー）

　そしてゲラーは、ミッチェルらに連れられてメリーランド州グリーンベルトにあるNASAの施設「ゴダード宇宙飛行センター（Goddard Space Flight Center）」を訪れ、フォン・ブラウンに会うことになった。