脳に770個のチップを埋め込みまくる研究が進行中! 頭がラジオ化、信号の外部送信も可能に!

 脳に塩粒ほどのマイクロチップが数多く埋め込まれる未来が近づいている。その数はなんと770個に上るというのだ。

■脳に770個埋め込まれる“ニューログレイン”

 当然ではあるが脳は複雑だ。脳には視覚野や聴覚野、運動野など人間活動の機能を担う領域が大まかに設定されているが、電子機器のスイッチのように明確に対応しているわけではなく、ほかの領域とも幅広く関わり合い、補完し合いながら活動していることがわかっている。

 脳とコンピュータを接続する試みである「ブレイン・コンピュータ・インタフェース(Brain-computer Interface、BCI)」の研究は1970年代より始まっており、実際に脳にマイクロチップを埋め込むケースも見られるようになっている。

 考えるだけでコンピュータやロボットを操作できたりすることは、脳と脊髄の損傷を抱える人々にとって最終的にコミュニケーションと動きを回復し、より自立した生活を送ることに繋がる。

 これまで研究はまだまだ初歩的な段階にあったが、この度、米・ブラウン大学をはじめとする研究チームによって画期的な技術が届けられている。脳の広範にわたって塩粒ほどの「ニューログレイン(neurograins)」と呼ばれるチップを数多く埋め込んで神経信号を収集するシステムが開発されたのである。

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「Wired」の記事より

 8月に「Nature Electronics」で発表された研究によれば、ニューログレインはおおよそ塩粒のサイズであり、脳の活動を記録するために脳組織全体に埋め込むことを目的としているという。

「各ニューログレインには十分なマイクロエレクトロニクスが詰め込まれているため、神経組織に埋め込まれると、一方では神経活動を検知することができ、それを小さなラジオとして外の世界に送信することもできます」と研究チームのアルト・ノルミッコ氏は「Wired」誌に語る。

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「Wired」の記事より

■新たな時代に突入したBCI研究

 チームは齧歯動物にニューログレインを実装して研究を続けているが、近い将来に人間の被験者にも埋め込むことを思い描いている。たとえばこれまでの実験の1つでは、マウスの大脳皮質に48個のニューログレインを配置し、脳の運動野と感覚野に焦点を合わせた研究が行われている。

 システムの出力品質を改善できれば、記憶や意思決定などを制御する複雑なネットワークなど、脳のより広い範囲を研究する方法が提供されることになるということだ。人間の脳には770のニューログレインが必要になると見積もられており、これにより電気パルスでニューロンを刺激し、パーキンソン病、麻痺、てんかんなど深刻な神経障害の治療につながる可能性が一層広がるのだ。

 研究チームは数千、そして最終的には数十万のニューロンからのシグナルを記録できるようにしたいと考えており、より詳細な脳神経情報を解析することで広範な脳活動の解読に道を拓きたいとしている。

 もちろんニューログレインの改善も続けられている。ニューログレインをさらに小さくして、数百個埋め込んでも脳への損傷を最小限に抑えることができるシステムの開発に余念がない。これはマイクロエレクトロニクスの問題だとノルミッコ氏は話す。

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