【ガチ】柱に人間が埋まっている空港が存在していた! 人に気づかずセメントを流し…女の幽霊の目撃例も
――タイ在住歴20年の私バンナー星人が、タイ社会では馴染みの深い、妖怪、幽霊、怪談、呪術、占い、迷信といったものに光をあて、日本人の目には触れることが少なかったタイの怪奇世界に皆様をお連れします。
現在、タイではコロナパンデミックによって観光客受け入れを制限している。今年度中には受け入れ再開する予定で計画が進んでいる。海外からの旅行者がタイを訪れる際の玄関口となるのが、首都バンコクとその隣県にある2つの空港、ドンムアン国際空港とスワナプーム国際空港だ。
この2つの空港は、羽田空港と成田空港の関係に似ている。とはいえ、2006年開港のスワナプーム空港の利用者数は、コロナ以前の2019年には6500万人に上る。成田空港よりも遥かに多い。名実ともに「アジアのハブ空港」だ。その壮麗さと規模は利用者を圧倒する。国の顔となる国際空港の役割を十二分に担っている。
●開港までに死者多数、異臭も…
日本では知られていないが、実は、このスワナプーム空港は開港までに諸々の問題があり、長い年月が費やされた。まず、空港建設のために土地が買い上げられた際、その土地の所有者が亡くなる事件が多発した。現地では「土地神の怒りに触れたのでは…」と囁かれ、恐れられた。また造成し終えたばかりの滑走路がなぜかひび割れ、何度修復してもまたひび割れるという不思議な現象も起きている。ひびに溜まった水は異臭を放ち、その匂いがまるで死臭のようだったとの証言もある。空港の建設地はもともとコブラ等の野生動物が多数生息する湿地帯だった。もしかすると滑走路から立ち上がる匂いは、埋められてしまった生き物の名残りだったのかもしれない。
■ネットの噂「女性が柱に埋まっているらしい」
「名残り」といえば、こんな話を思い出す。空港開港後しばらくして、ネット上である奇妙な噂が広まった――空港ビル内の、ある柱に女性の幽霊が取り憑いている――という噂だ。毎晩のように空港職員によって、その柱付近で女性の霊が目撃される事件が続いたらしい。
「空港建設時にレイプされた上に殺された、その柱に埋められた女性の霊だ」根拠のない話ながら噂は、瞬く間に広がっていった。空港側も噂を放置できなくなったのか、供養の儀式が大々的に行われた。
この柱のある場所は「CUSTOMSBOND(保税手荷物預かり所)」だと言われる。この部屋では、外国人が関税手続きのために一時的に預けた品物が保管されている。柱は、横7m縦14mの部屋の中央に床から天井につながる形で立っており、高さは3m強もある。
噂を検証すべくその部屋を取材した記者によると、柱の中央部には塗り込んだセメント跡が2つあった。その跡は、穴を開けて中から何かを取り出したあとに、また穴を埋め直したように見えた。その柱に残る歪な跡は、空港内のどの柱にも見られない。訝しむ記者は、部屋の責任者・ソムサック氏に、ズバリ質問をぶつけてみたという。
「この柱に死体が埋められている噂は本当ですか」ソムサック氏は次のように回答した。「私も伝え聞いているだけで、確信はありません、どうもこの空港ビル建設時に凄惨な事故が起きたらしいんです」――果たして何が起きたのか。ソムサック氏は凄惨な事故について記者に語った。
空港建設時に雇われた労働者の多くは、ミャンマーからの出稼ぎだった。その中の一人の女性が、あやまって足場から建設中の柱の中に落ちてしまった。しかし、その時それに気づいた者はいなかった。工事は計画通り進められ、女性が落ちた空洞部にはそのままセメントが流し込まれた。その後、柱を周りから支えていた鉄枠を取りのぞく作業が行われた際に作業員が目にしたのは……
柱にくっきりと浮かんだ人型だった。
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