【実録・コロナ怪談!】14日間隔離されたホテルの部屋が「いわくつき」だった件! 毎晩襲いかかる怪奇現象がエスカレートし…

 2020年初頭に端を発した新型コロナウイルスパンデミック。日本の水際対策が緩すぎると指摘されるのに対して、タイのそれはパンデミックが始まった当初から現在まで一貫して厳格である。2021年現在、入国が許されているのは、外国から帰国してくるタイ人と、一部例外を除き、ビジネスビザを所有している外国人(とその家族)のみとなっている。

 もちろん入国してもすぐに自由の身になれるわけではない。空港でのPCR検査結果がたとえ陰性でも、入国するすべてのタイ人、外国人が入国日から政府指定の隔離用ホテルで2週間の隔離を強いられるのだ。その隔離方法も、日本よりずっと厳しく、一度部屋が決められてしまうと2週間はその部屋から出ることは許されない。隔離といってもある程度の自由は許されるのだろう、と甘く考えていた日本人が、あまりの厳しさに耐えかね「これは犯罪だぞ」などとホテルスタッフに逆ギレするというニュースもあったぐらいだ。

 では、ここでちょっと想像してだきたい。もしあなたがあてがわれたホテルの部屋がいわくつきだったらどうだろう。これが旅行ならばことは簡単、次の日の朝に荷物をまとめて出ていけばいいだけのことだ。しかしあなたは今2週間の隔離中なのだ。何かあってもその部屋を出ていくことはできない。そんな中、毎晩のように襲いかかる怪奇現象に、あなたの精神は果たして2週間も耐えられるだろうか。今回紹介するのは、実際にタイ人の身に起こった、そんな地獄の2週間の体験談である。

 

―隔離1日目―到着

 イギリスで飲食店を経営しているテーさんがタイに一時帰国したのは2021年1月のことだった。空港での手続きを経て用意されたワゴン車で向かったのは、バンコクの隣の県チョンブリーにある政府指定の隔離用ホテル。彼の家の近くにあるその古いホテルのことは以前から知っていたが、正直泊まってみたいと思うような外見ではなかった。

 しかし、実際ホテルに着いてみると、ホテル内はメンテナンスが行き届いており、その清潔な雰囲気にまずはホッとした。ただ、感染防護服に身を包んだスタッフの異様な姿に、「2週間の隔離」という事実をあらためて実感したのだった。

 彼が案内された部屋は30平米ほどのシンプルな部屋だった。入り口右手に、トイレ兼シャワールーム、その奥がベッドルームとなっている。ベッド、エアコン、テレビ、クローゼットなど必要なものは全て揃っているようだ。まず最初にやるべきことは、部屋の備品のチェックだった。なにせ2週間世話になる部屋なのだ。不具合があっても部屋を途中で変えてもらうことはできない。彼はいつもよりも入念に、エアコン、水回り、電気、wifiなどをチェックし、すべて問題がないことを確かめると、そうスタッフに伝えた。こうして、いよいよ2週間の隔離生活がスタートしたのだった。

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