明晰夢を見る科学的方法がガチ判明「1泊で成功。ものすごい高確率。ワンダフルな体験」
ちなみに参加者の中には明晰夢への関心が高く、明晰夢誘導プロトコル(MILDテクニックとして知られているものを含む)でトレーニングを積んている人々もいた。
そしてこの明晰夢トレーニングとガランタミンとの組み合わせによって明晰夢を見る確率が明らかに高まったのである。
参加者は3夜連続して、プラセボから始めて4mg、最後の夜に8mgと、薬剤の投与量を増やしていったのだが、毎晩、参加者は消灯から4.5時間後に目を覚まし、明晰夢の誘導技術をトレーニングし、薬剤を摂取して再び眠りについた。
このアルツハイマー病の薬と明晰夢誘導技術の組み合わせによって明晰夢を見る確率が高まり、より高い投与量で見る確率はさらに高くなったのである。
■夢の中であらゆる体験が可能になる
具体的にはトレーニングに加えてプラセボ(ガランタミン0mg)を服用した場合、参加者の14%が明晰夢を報告し、4mgを摂取すると27%に増加し、8mgを摂取すると42%に上昇したのだ。
「この組み合わせプロトコルにより、121人の参加者のうち合計69人(57%)が、ガランタミンの有効量で2泊のうち少なくとも1泊で明晰夢を見ることに成功しました」と研究チームは記している。
「このプロトコルは、これまでに知られている明晰夢を誘発するための最も効果的な方法の1つであり、明晰夢をより多くの人々が利用できるようにする可能性を秘めています」(研究論文より)
これは重要は発見であるという。なぜなら人々が何が起こるかを制御できる素晴らしい夢を楽しむのに役立つだけでなく、この研究は明晰夢と意識の関係を説明し、人々が安全に眠っている間に恐怖に立ち向かい、トラウマを克服することに役立つ可能性があるからだ。
「この新しい方法は、明晰夢の研究を適切に行うために必要な成功率をついに実現しました」と、この研究に関与していなかったオーストラリアのアデレード大学の心理学者、デルンホム・アスピー氏は当時の「New Scientist」に説明している。
この技術の安全性が確認されるまではもちろん明晰夢を見るためにガランタミンを自分で処方してはならない。しかし今後詳細な検証を行うことで、これらの調査結果が無限に広がる想像の世界という“素晴らしき世界”を提供する可能性がある。
ウィスコンシン大学マディソン校の認知神経科学者、ベンジャミン・ベアード氏はガランタミンを使った実験に自身も参加したのだが、この時に見た明晰夢のワンダフルな体験を説明している。
「レンガの壁に沿って手を動かすと、個々のレンガの粗い質感と輪郭を感じることができました。スタートレックのホロデッキに入るようなもので、想像できるあらゆる体験をすることができます」(ベンジャミン・ベアード氏)
明晰夢が誰でも、そして何度でも見られるようになる日は近いのだろうか。研究の進展に注目が集まる。
参考:「Science Alert」ほか
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2024.10.02 20:00心霊明晰夢を見る科学的方法がガチ判明「1泊で成功。ものすごい高確率。ワンダフルな体験」のページです。トラウマ、医療、明晰夢、メンタルヘルス、PTSD、VR、仮想現実、ガランタミンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで