政府公認サイボーグ人間が「時間の流れを操作する」新プロジェクト開始! これがガチのタイムトラベルか!
「色を聴く」ことができるサイボーグ・アーティストとして一躍時の人となったニール・ハービソン氏の次の目標は、「時間を操る」ことにあるという。いったいどういうことなのか――。
■「色聴」を獲得した“サイボーグ・アーティスト”
人間の潜在能力の奥深さを物語るのがさまざまな「共感覚(synesthesia)」を持つ人々の存在だが、そうした共感覚の1つに、音に色を感じる「色聴(color hearing)」がある。その名の通り「色を聴く」ことができる共感覚だ。
そして、この色聴をテクノロジーの力で獲得したアーティストがいる。生まれつき色覚異常をもつ“サイボーグ・アーティスト”のニール・ハービソン氏だ。
白黒のグレースケールでしか見ることができない「一色覚」という先天性の色覚異常を抱えるハービソン氏は2004年、頭蓋骨にチップを埋め込んでアンテナを接続するインプラント手術を受け、サイボーグに生まれ変わった。しかも、アンテナを装着したままの姿でパスポート上の写真に載ることを英国政府が初めて認可し、晴れて“政府公認のサイボーグ”となったのだ。
後頭部から延びたアンテナは目の前にある物体の色の周波数を検知し、音の周波数に変換するソフトウェアを介して後頭骨にバイブレーションとして伝わる。このシステムによって彼は360色を360の音として識別することが可能になったのだ。つまり、“色を聴く”という色聴をテクノロジーを使って獲得したのである。
「サイボーグであることは、テクノロジーがアイデンティティの一部であることを意味します。頭の振動で赤外線から紫外線まで色を感知して音になるので、実際に色を聞くことができます」(ハービソン氏)
こうして自らサイボーグを称するようになったハービソン氏だが、正確には色を聴いているわけではないという。音を聴きながらでも目に見える景色はモノクロであるからだ。このシステムによって、これまでにない新たな感覚を手に入れたのだと説明している。
「私にとって、色はこの新しい感覚です。視覚的な要素ではなく、音声的な要素でもありません。それは私の頭蓋骨の振動であり、独立した感覚なのです」(ハービソン氏)
なお、ハービソン氏はBluetoothを介して送られたカラーのデジタル画像を音波にして“聴く”こともできるということだ。
「私はテクノロジーを使っているわけではなく、テクノロジーを身に付けているわけでもありません。私はテクノロジーそのものです。テクノロジーであるという感覚が、自分をサイボーグのように感じさせてくれます」(ハービソン氏)
■時間の流れを操作するプロジェクト
そんなハービソン氏は現在、新しいプロジェクトに取り組んでいる。首輪型の新たなデバイスを開発し、なんと「時間の流れを操作」しようとしているのである。
「首を一周するのに24時間かかる熱点があり、惑星の自転を感じることができます」(ハービソン氏)
時間の経過を感知するように設計された分厚い金属製の首輪のような形のこのデバイスがどのように機能するかを確認するため、ハービソン氏は1年間の装着テストを開始したのだ。
「脳がそれに慣れたら、アプリを使って熱点の速度を微妙に変えることができます。これにより、時間の知覚が変わるはずです」(ハービソン氏)
この機器により主観的な時間の経過を変えられる可能性があるということだ。ある種の“タイムトラベル”が可能になるということかもしれない。今のところこの機器はインプラントではなくウェアラブル機器である。前のモデルで首にヤケドを負ったので作り直した経緯もあるという。
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2024.10.02 20:00心霊政府公認サイボーグ人間が「時間の流れを操作する」新プロジェクト開始! これがガチのタイムトラベルか!のページです。サイボーグ、ニール・ハービソン、時間、共感覚、トランスヒューマニズム、色聴などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで