【実録】「幽霊の観客」が愛知県の劇場に出没!? 「あぁ、あそこは出る」最前列の席で…
舞台と楽屋、華やかなスポットライトの裏方で働く人々がいる。そんな彼らの背後に人ならざる何かの影が蠢いていた――宗教・オカルトの専門家・神ノ國ヲがインタヴュー!(前編)
――劇場での怪異ですか!?
C氏:劇場の照明操作の仕事をしているんですが、「愛知芸術文化センター」ってご存じですか。平成4年・1992年に愛知県が建設した総合文化施設です。多様な芸術文化活動を推進する一大拠点として、今から約30年ほど前にオープンしました。美術館、芸術劇場、文化情報センター(アートに関するスペース、ライブラリー、プラザ)を含むものです。
この愛知芸術文化センターの小ホールに「出る」って噂があります。小ホールは250人収容で中心に舞台を設置しているんですが、ある日、ここで仕事をしました。3回目の公演、金曜の昼回でした。
なぜか人があまり座らない観客席の一画があるんです。そして出演者らが楽屋で話すには、客が座っていたり座っていなかったりするんですよ。出演者はかなり強いスポットライトに照らされているので、たしかに客席は見えにくいんです。でも、最前列あたりならやはり顔も見える。だけど、同じ公演でも客がいたり、いなかったりする。しかも一つの席だけじゃないんですよ。
――複数の霊ということですか?
C氏:そういうことになりますかね。出演者の間で確認すると、座っている女をみたという人が半分、いや見ていないと答える人が半分でした。「西側を向いて独白する場面」で多くの出演者が目撃していたのは共通点ですね。
あと私も目撃したんです。客席の霊ではなくて。最後の公演で、会場・小ホールの隅で照明のタイミングを図っていたんです。横には誰もいなかったんですが、出演者ら曰く、私の横に誰かいて、ずっと作業を見ていたっていうんですよね。たぶんスタッフの誰か、または客が物珍しくて見学しているんだろう、と思っていたそうです。しかし、作業は私一人で行っていましたし、近くにいたスタッフで、その人物を見た人はいない。では誰だったのか、それは何だったのか。
――いわれのある場所ですか?
C氏:後日、公演の打ち上げの際、言われました。演劇界の芥川賞「岸田國士戯曲賞」を受賞したある人曰く「あぁ、あそこは出るから仕方ないよ」って言うんです。嘘か本当かは知りませんが、愛知芸術文化センターになるずっと以前、あの土地は処刑場か勾留所で工事の際、人骨も出たそうです。
劇場には出やすいとも言いますよね。舞台は明るく、席は暗いですから、出やすいのかもしれません。演出家に言わせれば「観てくれるなら幽霊も客だから、金は払ってないけど、かまわないんじゃない、よくあること。むしろ、出る劇場の方が演技がいいくらい」と一笑にふすんですから、まあ、そういうものかと(笑)
――霊感は?
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