「死んだまま生きた」17歳の少女 ― “歩く死体”になるコタール症候群とは?

※ こちらの記事は2015年11月4日の記事を再掲しています。
「死んだまま生きるなんて、今までで一番ヤバイ経験でした――」(英紙「Mirror」より)
そう話すのは、アメリカ・アラバマ州に住むハリー・スミスさん17歳だ。多感な10代の3年間を「自分は死んでいる」と思い込む超レアな奇病とともに生きてきた。
■“歩く死体”になるコタール症候群とは?
コタール症候群、またの名は「歩く死体症候群」。この病は、1880年にフランス人神経学者のジュール・コタールによって発見された。患者は自己否定感の強い抑うつ状態の中、「自分はすでに死んでいる」という奇怪な感覚に取りつかれるという。このような歪められた現実が引き起こされるのは、紡錘状回および扁桃体と呼ばれる脳の機能不全によるもので、双極性障害や統合失調症と同じく、思い込みの激しい精神障害の一種とされている。

「両親が離婚したばかりの頃、私は自分の感情とうまく折り合いがつけられませんでした。そしてある日突然、学校で英語の授業を受けている最中『自分は死んでいる』という奇妙な感覚に支配されたんです。振り払おうとしましたが無駄でした」と、ハリーさんは振り返る。その後、保健室で診てもらったが、異常なしと言われたそうだ。
「学校からの帰り道、墓地を訪ねてみたくなったんです。そこには自分と同じような人たちがいるはずだから――つまり、死人が。親しくなりたいと思ったんですね。でも、通学路には墓地がなかったのでまっすぐ帰宅しました。一晩眠りさえすれば、このシュールな感覚も吹っ切れると思いながら」(ハリー・スミスさん)
だが、体調は回復せず、数日後にはさらに不吉な症状が彼女を襲った。ショッピング中、突然身体が麻痺し、手にしていた洋服すべてを落としてしまったのだ。ハリーさんは、そのまま店から走り出し「自分はクレイジーになった」と絶望したという。違和感はハリーさんの中で次第に大きくなっていった。だんだん学校へは行きづらくなり、友達とも疎遠になり、とうとう昼夜逆転の生活に変わってしまったと話す。
「墓地でピクニックをしたいと思ったり、ホラー映画ばかり見るようになりました。ゾンビを見てると心が落ち着くんです。なぜって、彼らこそ自分の家族に思えたから」(ハリー・スミスさん)
ハリーさんが戸惑っていたのは最初だけだで、徐々に“新しい生活”を受け入れるようになったと話す。
「好きなだけ食べてました。だって、死んでるなら太ることもないでしょ」
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