電子レンジは本当に体に悪いのか!? 今も陰謀渦巻く議論を整理
■国家が使用を禁止した!? デマまで流れる電子レンジ
このように、電子レンジに関する健康リスクを訴える人々は、主に脳へのダメージ及び認知機能の低下、免疫力の低下、腫瘍とガン罹患の可能性、ホルモンバランス障害などの懸念を挙げるケースが多い。そして、いつの間にか「健康的リスクから国民を守るべく、1976年から旧ソ連が国を挙げて電子レンジの所有と使用を禁止した」という噂まで登場した上に、現在でもこの話題がメディアに取り上げられている状況だ。しかしこれには、マイクロ波と高周波の国際的研究所IMPI(International Microwave Power Institute)が丁寧に反論するなどしており、“国を挙げた禁止“自体は誤った情報だと考えられている。
だが一方で、米紙「ニューヨークタイムズ」の取材によって、かつてソ連がモスクワのアメリカ大使館に向けてマイクロ波を少なくとも15年にわたり照射していた事実が判明するなど、その影響やリスクについて人々の不安を掻き立てるような歴史的経緯があったこともまた事実だ。さらに、21世紀の現在になってもなお、日本を含めた世界中の医師や科学者の中に電子レンジの使用を控えるべきだと確信とともに主張する人々が存在することは紛れもない事実であり、専門家の間でさえ電子レンジをめぐってはさまざまな意見が飛び交っているのが実態なのだ。
何を信じるかはもちろん読者一人ひとりに委ねられているが、人類の歴史を振り返ると、専門家や国家によって健康への悪影響が否定されていたものが後にそうではないと判明した例は枚挙に暇がない。ましてや、今現在の人類が手にしている科学技術が、文明社会に資する完全無欠の最高到達点であるはずもない。利便性と懸念とのバランスを、自らの責任において判断するべきなのだろう。いずれにしても、電子レンジほど賛否渦巻く“陰謀的白物家電”は他にないと言えるだろう。
参考:「Disclose.tv」、「Natural News」、「Business Journal」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊電子レンジは本当に体に悪いのか!? 今も陰謀渦巻く議論を整理のページです。マイクロ波、栄養、家電、電子レンジなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで