電子レンジは本当に体に悪いのか!? 今も陰謀渦巻く議論を整理
今や冷えた食べ物を温めるだけにとどまらず、あらゆる機能を搭載し我々の日常生活で欠かせない家電となった電子レンジ。1947年にアメリカで商品化され、現在の日本における世帯普及率は90%半ばを超えたといわれている。そんな電子レンジが危険であるとして使用を避けるべきだと語る人々がいるが、それはいったいどのような理由からなのだろうか。今回は海外“自然派”メディア「Natural News」にて報じられた電子レンジの特性と、それを取り巻く議論について紹介する。
■どこまで知っている? 電子レンジの仕組み
調理する際にコンロを使用すると食物の表面が加熱され、その熱が内部へ伝わることにより全体が温まるが、一方で電子レンジはマイクロ波を照射し、食物の中の分子を振動、回転させた際に起こる摩擦を利用して食物を内側から温める機器だ。コンロに比べると短時間での加熱調理が可能なため、時間を短縮できることが最大の魅力であろう。しかし、その電子レンジを日々使用することで、自身をさまざまなリスクにさらしていることまでは理解していない人が多いと訴える研究機関や医師などの専門家がいる。
「反対派」によれば、電子レンジで食べ物を調理すると、どんな物でも自然であるとは言い難い物体になるのだという。レンジ内に入れられた食物は、その分子を2,450MHz(1秒間に24億5千万回振動する)という気の遠くなるような速度で振動するエネルギーの波にさらされる。それにより食品に含まれる水の分子などが振動と回転を繰り返して温度が上がるのだ。
スイスの食品科学者、ハンス・ウーリッヒ・ヘルテル博士(Dr. Hans Ulrich Hertel)とローザンヌ大学の研究者による1991年の研究によれば、こうしてかき回された分子構造は破壊されたまま元には戻らず、本来含まれているはずの栄養素は60~90%が失われてしまうのだと説明する。また、育児中の母親が搾乳しておいた母乳を冷蔵庫に保存し、電子レンジを使いそれを温めた場合、母乳に含まれている栄養素は破壊され、乳児はほんの僅かな栄養しか摂取できないことが米スタンフォード大学による調べでわかっており、1992年に小児科の学術誌「American Academy of Pediatrics」上で論文が発表されている。
■プラスチック容器との組み合わせ
電子レンジの大まかな仕組みは前述の通りだが、私たちの使い方によってはさらなる健康被害を招くという指摘もあるようだ。例えば、プラスチック容器に入った食物をレンジで温めた場合、食物と共に容器も温められ有毒物質が食物に染み込むという指摘がある。これについて例えば日本プラスチック工業連盟は「特別な溶出はありません」としているが、一方で米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」はアリゾナ州立大学バイオデザイン研究所環境安全センターのロルフ・ハルデン博士の声として「公衆衛生の観点からは、プラスチック容器を熱すると、溶けだした健康に害のある物質を体内に取り込んでしまいかねないため避けた方がいい」と伝えているなど、専門家の間でも意見が割れている。ハルデン博士によれば、体内のホルモン作用に異常をきたすBPA(ビスフェノールA)やポリPVC(塩化ビニル)などの有害物質が食物にじわじわと染み込む可能性があるという。
日本では電子レンジで加熱する際、プラスチック容器や包装から陶器などに移す一手間を加える人もいるが、アメリカではそのまま加熱し、容器が多少溶けていても何食わぬ顔で飲食する人が数多くいるというが、ライフスタイル的な背景によっても危険レベルは変わってくるということだろうか。
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2024.10.02 20:00心霊電子レンジは本当に体に悪いのか!? 今も陰謀渦巻く議論を整理のページです。マイクロ波、栄養、家電、電子レンジなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで