ウクライナ戦争の影で中国によるウイグル人弾圧が激化! 世界が見殺しにする残虐非道の実態
ウクライナ戦争が長期化する中、それ以外の国際問題に対する注目度が弱まっている。その一つが中国・新疆ウイグル自治区での中国共産党による弾圧だ。トカナでも度々取り上げている日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット氏によると、中国共産党によるウイグル人へのジェノサイド(民族抹殺)が今、ウクライナ戦争の影でにかつてないほど残虐非道になっているという。
――ウイグル問題の近況について教えてください。
トゥール・ムハメット氏(以下、ムハメット) 現在、300万人のウイグル人が職業訓練所という名目の強制収容所に隔離され、100万人が殺されています。特に2016年から中国共産党による締め付けが激化し、殴る蹴る、水を与えない、寝かせない、といった拷問や性的暴行が日常的に行われています。その事実が今年に入って、ようやく多くの国々にジェノサイドであると認定されました。
しかし、まるでウクライナ戦争の隙を狙ったかのように、さらに中国共産党による締め付けが酷くなりました。現在、反抗の意思がなくても、ウイグル人であるという理由だけで強制収容所に閉じ込められるような状況です。
――そもそも、中国共産党はなぜウイグル人を虐殺するという蛮行に及んでいるのですか?
ムハメット ウイグル人が中国共産党に対して反乱を起こす可能性を考え、人口を減らし、民族浄化をしたいのです。強制収容所に閉じ込められているウイグル人女性には、生理が止まり不妊になる注射をされたり、不妊手術を受けさせられた人達もいます。
ホータン地区の統計年鑑(2013~17年分)によると、同区の人口の約97%を占めるウイグル族の人口増加率が年々下がり、逆に人口の約3%を占める漢族の人口は増えています。また、新疆統計年鑑によると、2018年に新疆ウイグル自治区で不妊処置を受けた約29万3千人のうち約75%がウイグル族です。また、不妊手術を受けた約8万9千人のうち99%がウィグル族です。
――なぜ国際社会はこれまでウイグル問題に対して積極的に動かなかったのですか?
ムハメット あらゆる国が中国と経済的に繋がっているからです。たとえば、ウクライナ問題で西側諸国から経済制裁を受けているロシアのGDPは中国の広東省と同じくらいなのですが、中国全体に厳しい経済制裁を科すと、世界経済の約16%ものGDPが失われる可能性があるので、国際社会は中国に対して弱腰なのです。また、日本を含め西側の考え方・報道は欧米中心になっているため、アジアに関する報道が注目されにくいというのもあるでしょう。ウイグル問題は国際社会に見捨てられています。
――中国共産党の一党独裁体制が変わることはないのでしょうか?
ムハメット 今年秋に5年ぶりとなる第20回、全国人民代表大会が開かれ、次の国家主席が選出されます。中国共産党には現在3つの派閥があり、権力闘争が繰り広げられています。習近平派、江沢民派、そして、共産党青年団です。今年の党大会で、習近平が国家主席でなくなる可能性は否定できませんが、どちらにしても中国共産党による一党独裁体制が変わることはありません。
かつてソ連に、国際社会に理解のあるゴルバチョフ大統領がいた時代、アメリカには積極的に対外政策を行ったレーガン大統領がいたので、ソ連は崩壊しました。しかし現在、中国にゴルバチョフのような人物はおらず、アメリカは対外政策に消極的なバイデン大統領なので難しいでしょう。
――では、どうすればウイグル問題は解決しますか?
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2024.10.02 20:00心霊ウクライナ戦争の影で中国によるウイグル人弾圧が激化! 世界が見殺しにする残虐非道の実態のページです。新疆ウイグル自治区、中国共産党、ウクライナ侵攻、ジェノサイドなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで