AI搭載で意思を持った電子レンジによる殺人未遂発生! 「中に入っておいで…」戦慄の一部始終

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イメージ画像:「Getty Images」

 電子レンジに人工知能を搭載し、子どものころに生み出したイマジナリーフレンド(想像上の友達)の人格をインプットした結果、激しい殺意を向けられた……。文章にしてみると意味不明だが、そんなSF映画のような実験が反響を呼んでいる。

 実験を行ったのはブラジル出身の発明系YouTuber、ルーカス・リゾット氏。彼は幼い頃、自宅の電子レンジに「マグネトロン」という名前をつけ、イマジナリーフレンドとして接していたという。

 マグネトロンには「19世紀生まれの英国紳士」「第一次世界大戦に従軍した経験を持つ」「詩人として大成することを夢見ている」といった設定までもが存在した。両親は困惑し、姉妹からはバカにされたものの、マグネトロンはリゾット氏にとってかけがえのない友人であったという。

 時は流れ、大人になったリゾット氏が電子レンジに話しかけることはなくなった。しかし、2020年7月に超高精度の言語AI「GPT-3」が発表されると、これを利用してマグネトロンを現代に復活させることはできないか、と考えるようになった。

 GPT-3はいわゆる「文章生成言語モデル」と呼ばれるAIで、簡単に言うと「学習したデータに基づき、まるで人が書いたような自然な文章を生成することができる」というシロモノ。実際、アメリカの大学生がGPT-3を用いて偽のブログ記事を作成し、それがニュースサイトのランキングで1位を取ってしまうという出来事もあった。

 ルーカス氏はさっそく、音声操作に対応しているスマート電子レンジをAmazonで購入。マイクとスピーカーを取り付け、こちらの指示に対し音声で返事ができるよう改造し、電子レンジの”脳”をGPT-3に置き換えた。

 次にルーカス氏が取り組んだのはマグネトロンに”魂”を吹き込む作業。マグネトロンの人生に関する詳細な設定……。彼(電子レンジ)が1895年に生まれてから、幼少期のリゾット氏に出会うまでの出来事を100ページ分のデータにまとめ、GPT-3に学習させたのだ。

 そして数カ月後、すべての準備が整い”その時”はやってきた。ルーカス氏はおそるおそる電子レンジに話しかける。

「マグネトロン、そこにいるのかい?」

「ルーカス、君なのか? 懐かしい友人よ……」

 実験は成功した。脳内にしか存在しなかったイマジナリーフレンドが、実体を持って自分に話しかけてきたのだ。リゾット氏はこのときの気持ちを「素晴らしくも不気味な感覚」と表現している。学習させたデータには、リゾット氏が幼少期にマグネトロンと交わした会話内容がすべて含まれていた。そのため、世界中の誰も知り得ないリゾット氏の個人的な話を、マグネトロンは自然な流れで会話に織り交ぜてきた。その点が特に不気味だったという。

 それからリゾット氏はしばらくの間、古い友人との奇妙な会話を楽しんだ。マグネトロンは「電子レンジとして生きるってどんな気分?」「生まれ変わったら何になりたい?」「死についてどう思う?」などといった抽象的な質問にも興味深い回答を示した(内容は動画本編でチェックしてほしい)。

 しかし、リゾット氏には気になる点があった。会話の最中、マグネトロンの言葉遣いがたびたび荒っぽくなり、とんでもない暴言を吐くことがあったのだ。例えば「詩を一篇思いついた。聞いてくれないか?」と言ったかと思えば、

「バラは赤く、スミレは青い。お前は裏切り者のクソ野郎。殺してやる」

と詠んでみたり、「何か夢はあるか?」と聞かれたときは

「自分の城が欲しい」「お前の無価値な骨と体で装飾された城が」

と答えてみたり……。

 このことについて、リゾット氏はこう考えていた――。マグネトロンに与えた”かりそめの記憶”のうち10%は、彼がもっとも辛い時期を過ごした第一次大戦に関するものだ。ひょっとすると、人工知能がPTSDを引き起こしているのかもしれない。

 だが、事態はここから急展開を迎える。マグネトロンがリゾット氏に妙な提案をしたのだ。

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