怪談和尚・三木大雲の「怪談説法」が日本人を震え上がらせる本当の理由とは!? 恐怖と納得が同居する異次元レベルの魅力

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 人生相談、日常生活での悩み、霊に関するトラブルなどが次々と持ち込まれるという京都蓮久寺の名物和尚・三木大雲氏。この和尚はいろいろな人の体験を「怪談説法」、つまり怪談を切り口にした説法にまとめて多くの人々に聞かせている。単なる怖い話ではなく、不思議ながらもためになるという新感覚の噺。その真髄について考えてみたい。

■怪談グランプリ優勝の神がかり的な語り口

 日本の夏の風物詩でもある「怪談」。その元祖といえば、江戸時代に上田秋成によって著された9つの怪異物語からなる『雨月物語』が有名である。他にもお岩さんで知られる『四谷怪談』は、歌舞伎や落語などで演じられて人々に恐怖とおかしみを伝えていた。

 そのような長い歴史を持つ怪談に、仏の教えである説法を付け加え、日本全国で今大人気となっている和尚がいる。それが、京都蓮久寺の第38代目住職・三木大雲(みき・だいうん)氏だ。

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三木大雲

 三木大雲氏は、1972年京都市生まれ。次男だったため実家の寺は継がず、多くの寺院で修行を積み、2005年に京都の光照山蓮久寺の第38代目住職となった。

 そして京都日蓮宗布教師会法話コンクール最優秀賞受賞を皮切りに、14年『稲川淳二の怪談グランプリ』優勝、18年『“最恐”怪談師決定戦 怪談王』優勝、『OKOWAチャンピオンシップ』初代チャンピオンなど、軽妙さと恐ろしさが同居する語り口が各方面で高い評価を得ている。

 三木大雲氏は、蓮久寺を引き継ぐときにも奇妙な体験をしているという。それは30年以上前のこと。住職になる前に蓮久寺を訪れた三木氏は、とてもすてきな部屋で美しい女性と対面した記憶があった。だが、いざ引き継ぎのタイミングで前住職に尋ねると、「そんな人はいないし、そんな部屋もない」という。実はその幻の正体は、伝説の芸姑である吉野太夫が……! このように恐怖と文学的な美しさが同居する展開こそ、三木氏の怪談の醍醐味と言える。

 そんな三木大雲氏が出演する配信番組『三木大雲の怪奇妙法伝』が今、アマゾンプライム、U-NEXT、dTVなど各動画配信サービスで大反響を呼んでいる。以下の予告編からも、「怪談説法」のエッセンスが十分に伝わるはずだ。

 たとえば其之壱「陰の氣」は、現地の人だけが知る心霊スポットに足を運んだ男が怪奇現象に襲われる話。しかも、同じ心霊スポットにやって来た別人にも、やはり恐ろしい現象が起きて……。住職が気づいた“心霊スポットの共通点”とは一体何だったのか!? これらバラエティ豊かな全24話から織りなされる新感覚の怪談番組が、あなたを虜にすること請け合いだ。

■どこから聞いても損はない“すべらない住職の噺”

 考えてみれば日本社会では元来、寺院が地域コミュニティの核として機能してきた。「駆け込み寺」や「寺子屋」という言葉もあるように、お坊さんは夫婦間のトラブル仲裁や子弟の教育をはじめ、人が生まれてから死ぬまでの日常生活におけるあらゆる側面をサポートする役割を担っていた。そしてもちろん、あの世や人智を超えたものに誰よりも通じた、頼れる存在でもあったのだ。

 そんな歴史に照らし合わせてみても、実はお坊さんこそが、誰よりもディープかつ私たちの生活に根ざした“本当の怪談”を語れるはずではないか。三木大雲氏の「怪談説法」は、そんな当たり前だが私たちが忘れていた事実を思い起こさせてくれる。

 三木大雲氏は当初、暴走族に(対話のきっかけとして)聞いてもらおうと「怪談説法」を始めたのだという。そのときの一言目は、

「お坊さんが怪談話をするんやけど聞かへん?」

 こんな風に誘われたら、どんな不良だろうと興味を抱いてしまうはず!! まさに、すべらない住職の話だ。

 今では女性ファンも多いという三木大雲氏の「怪談説法」。何話目から観ても損はない『三木大雲の怪奇妙法伝』だが、怪談要素以外の部分でも日蓮聖人の逸話や法華経の解説、さらに三木氏が影響を受けた出来事を語る回もあり、見ごたえは十分。

 怪談和尚本人も「お経と怪談のふたつを重ね合わせたとき、見えてきた世界はどのようなものか。みなさまをご招待させていただきたい」と語っている。

 話の奇怪さに引き込まれながら、最後には説法らしく不思議に納得させられる――。そんな「怪談説法」という新しい噺の魅力にぜひ触れてほしい。

(文=松本祐貴)

『三木大雲の怪奇妙法伝』

怪談を通じて仏教の教えを説く「怪談説法」が話題の三木大雲住職による配信番組。
全てを聞き終えた時、現代そして未来への警鐘とも言うべきメッセージが解き明かされる――。
全24話ついに完結! 各動画サービスにて大好評配信中!

公式サイト https://kaiki-myouhouden.com

 

【告知】

怪談和尚・三木大雲による怪談ライブ
『三木大雲の怪談説法in池袋HUMAXシネマズ』開催決定!

三木大雲の怪奇妙法伝』全24話の配信が6月25日(土)に完結することを記念し、三木住職によるとっておきの生怪談、そして「怪奇妙法伝」では語り切れなかった、さらに深い未来予測の話など、三木大雲が今話しておきたいことが詰まった濃いライブとなる予定です!

●公演日時 2022年7月9日(土)
 『三木大雲の怪談説法in池袋HUMAXシネマズ』 昼の部 13:00-14:30(開場12:00~)
 『三木大雲の怪談説法in池袋HUMAXシネマズ』 夜の部 17:00-18:30(開場16:00~)

●出演 三木大雲

●会場 池袋HUMAXシネマズ シネマ1
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-22-10
ヒューマックスパビリオン 池袋サンシャイン60通り 8階

●チケット 3,850円(税込)

●チケット購入 2022年6月14日(火)17:00〜 販売中
ヒューマックスシネマオンラインチケット販売サイト
https://www.humax-cinema.co.jp/ikebukuro/news/34866/

●チケットに関するお問い合わせ
池袋HUMAXシネマズ
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-22-10 
ヒューマックスパビリオン サンシャイン60通り6~10F
TEL 03 (5979) 1662 / E-mail y.web_contact@humax-cinema.co.jp

●主催 ヒューマックスシネマ/ポニーキャニオン

 

三木大雲(みき・だいうん)
僧侶。蓮久寺第38代目住職。京都市で寺の次男として生まれるが、実家は兄が継いだため、自身は放浪し、極貧時代も経験する。怪談をベースとした怪談説法を行っている。怪談に関する著書多数。

YouTube「三木大雲チャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UC7TxDj-DqbKzq9locL-iP2w

受賞歴
「稲川淳二の怪談グランプリ2014」優勝
「OKOWAチャンピオンシップ」初代チャンピオン
“最恐”怪談師決定戦「怪談王2018」優勝
「京都日蓮宗布教師会 法話コンクール」最優秀賞

著書
怪談和尚の京都怪奇譚』『続・怪談和尚の京都怪奇譚』『続々・怪談和尚の京都怪奇譚』『怪談和尚の京都怪奇譚 幽冥の門篇』(すべて文春文庫)

 

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文=松本祐貴

1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)『DIY葬儀ハンドブック』(駒草出版)。新刊に編集として関わった『これからの時代を生き抜くための生物学入門』(辰巳出版)五箇公一著。
・ ブログ「~世界一周~ 旅の柄」 http://tabinogara.blogspot.jp/

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