ハンガリーに実在した吸血鬼「血の伯爵夫人」とは? 少女650人を拷問&惨殺の果てに…!
何百人もの少女を拷問して殺害し、その血を飲んだことから「リアル吸血鬼」として語り継がれる女がいる。「血の伯爵夫人」としても知られる連続殺人鬼、バートリ・エルジェーベトである。エルジェーベトは16~17世紀、トランシルヴァニアの城で650人の農民の少女を拷問し、殺害したといわれる。
エルジェーベトは1560年、トランシルヴァニア公国の中で最も有力な家門であるバートリ家に生まれた。バートリ家は血族結婚を繰り返しており、エルジェーベトの近親者には悪魔崇拝者や色情狂などの噂が絶えない者もいたという。エルジェーベトも幼いときから感情の起伏が激しかったとされる。
1575年、エルジェーベトは5歳年上のハンガリー貴族、ナーダシュディ・フェレンツ2世と結婚した。大富豪のフェレンツは軍人としても優秀だったが、敵に対する残虐さから「黒騎士」として恐れられていた。エルジェーベトはフェレンツと結婚後、別の男性との間に非嫡出子をもうけた。するとその男性はフェレンツによって去勢され、犬によってバラバラに引き裂かれたといわれる。
夫婦はハンガリーのナーダジュディ城に住み、4人の子供に恵まれた。フェレンツは戦争で不在になることが多く、その間にエルジェーベトは性別を問わず多くの愛人たちと関係を結んだ。1604年にフェレンツが死去すると、エルジェーベトは夫から贈与されたチェイテ城に転居した。
この頃からエルジェーベトの常軌を逸した残虐行為が噂されるようになる。もともとエルジェーベトは結婚後に拷問室を建て、そこで召使いを折檻していた。それが夫の死後にエスカレートし、10代の少女を拷問して惨殺していったのだ。少女の血を飲んだり浴びたりすることで、自らの若さと美しさを保てると信じていたという。
拷問は凄惨を極め、エルジェーベトは少女の爪の間にピンを刺し込み、傷口に蜂蜜を塗って蜂や蟻の巣の近くに縛り付けた。また、少女の胸や手、顔、腕を噛んだり、はさみで切断したり、唇に針を刺したり、真っ赤に熱した鉄を押しつけたという目撃証言もある。
エルジェーベトは当初、農奴の娘たちを「召使いとして雇う」という名目で家族から引き離し、手にかけていた。後に下級貴族の娘たちを「礼儀作法を習わせる」と言って城に連れてくるようになった。しかし、城に足を踏み入れた娘たちは二度と家族のもとへ戻らなかった。
エルジェーベトの悪評は地域一帯に広まっていたが、その高い身分と血縁関係から、誰もエルジェーベトに手を出せなかった。しかし、ルター派の牧師から告発があったこと、貴族の娘にも被害が及び始めたことなどから、ハンガリー当局は1610年に調査を開始。同年12月にエルジェーベトと共犯者の侍女ら4人が逮捕された。全員が裁判で有罪とされ、侍女らのうち3人は死刑を、残る1人は終身刑を宣告された。エルジェーベト本人は死刑にならなかったものの、扉と窓を漆喰で塗り塞いだチェイテ城の寝室に幽閉されることとなった。
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2024.10.02 20:00心霊ハンガリーに実在した吸血鬼「血の伯爵夫人」とは? 少女650人を拷問&惨殺の果てに…!のページです。吸血鬼、拷問、ハンガリーなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで