やはり地球には“人類以前の文明”が実在した! 滅亡経緯も判明、NASAの学者ら提唱「サイルリアン仮説」
持続可能な社会を目指すいわゆる「SDGs」が叫ばれている昨今だが、この地球上でかつて持続不可能が故に滅びた産業文明があったかもしれないという――。
■「サイルリアン仮説」とは?
イギリス「BBC」のテレビドラマ『ドクター・フー』に登場する、4億5000万年前の地球を生きたトカゲに似た外観の先住民族が「サイルリアン(Silurian)」である。
もちろんサイルリアンはSFに登場する架空の生物であるが、かつての地球上に、サイルリアンの社会のような文明が存在していたのか真面目に検証している科学者たちがいる。そして、太古の地球上に産業文明が存在し得たという仮説を「サイルリアン仮説(Silurian Hypothesis)」と名づけた。
同仮説では、少なくとも数百万年以上前の地球に人類以外の文明が存在し、工業化時代に人類が引き起こした気候変動に匹敵、もしくはそれ以上に環境に影響を与えた可能性があることが示唆されている。つまり、現在の人類社会よりも自然環境を破壊し、地球を温暖化させたうえで滅びた産業文明が太古の昔に存在したというのだ。
NASAゴダード宇宙科学研究所の気候科学者、ギャビン・シュミット博士と、ロチェスター大学の天体物理学者、アダム・フランク教授は2018年の共著論文で、人類よりも前にあった高度な文明を想像し「世界の地質記録で産業文明を検出することが可能かどうか」について検証している。
2人の科学者が着目しているのは、5600万年前の暁新世(ぎょうしんせい)の終わりと始新世(ししんせい)の始まり頃に起きた劇的な気候変動である「暁新世-始新世温暖化極大(Paleocene-Eocene Thermal Maximum、PETM)」として知られる現象である。
このPETMの期間中、地球の平均気温は今日より15度高く、地球上の氷はほぼ消失し、北極も南極も熱帯気候であったと考えられている。
そして暁新世に劇的に増加した炭素排出量は、化石燃料の燃焼によって引き起こされた可能性があり、今日の我々のように大規模に化石燃料を燃やしてエネルギーを生産していた文明があった可能性が示唆されてくるというのである。はたして「サイルリアン仮説」は正しいのか。
■人類文明も同じ轍を踏むのか
そしてこの超古代文明は壊滅的なまでに自然を破壊し、地球を極度に温暖化させた暁に“持続不可能”になって滅びたことになる。はたして我々の文明もその途上にあるのだろうか。
とはいえ、この絶滅した文明が本当に存在していたとしても、残念ながらその痕跡が発見できない公算が大きいという。今日発掘されている化石のほとんどは数千年または数十万年前のものであり、数百万年前となればほぼ原形をとどめていない地層ということになる。当時の我々の文明にあるような工場や建物があったと仮定しても、数百万年後の残骸はただの塵埃である可能性が高いというのだ。
「私たちの産業文明よりも 500倍長く10万年続いた産業文明があっても、それを見失うことは往々にして有り得る話です」とフランク教授は説明する。
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2024.10.02 20:00心霊やはり地球には“人類以前の文明”が実在した! 滅亡経緯も判明、NASAの学者ら提唱「サイルリアン仮説」のページです。文明、持続可能性、超古代、サイルリアン仮説などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで