アメリカ人が知らない国「リッスンブール」とは? 日本と友好関係!? その正体は…

 世界には大小含めて197の国があるが、領土の面積や人口がかなり小規模なミニ国家やミクロネーションなどを含めるとさらに数は増える。中には日本から遠く離れていることもあり、名前も知らないようなマイナーな国もあるだろう。

 11月、ネット上で「Listembourg(リッスンブール。リステンブルク、リスタンブールとも)」という欧州のとある国が話題になった。リッスンブールはスペインやポルトガルのあるイベリア半島の先端にあり、大きく5つの州に分かれる。首都はLodibidonで人口は7890万人、言語はフランス語、ドイツ語、英語。国旗は青白赤の三色の上に赤い星が描かれている。今まで聞いたこともない国だと思うが、2024年のパリ五輪には参加予定だし、歴史も古い。1808年にナポレオンがトレンテグラムの戦いでリッスンブルジョア軍に圧倒的な勝利を収め、首都に入ったとされておりその様子は絵画にも描かれている。非常にマイナーな国であるが、日本と友好関係にあることをリッスンブール日本大使館が発言している。今年の11月2日に。

 そう、この「Listembourg(リッスンブール)」という国は実在しない、ジョークから生まれた国なのである。ネットで見ることのできる衛星写真はよくできているが、イベリア半島における面積がかなり大きく、もし本当に存在していたとするならば今までどの世界地図にも掲載されなかったのは不自然だ。というか、地形をよく見るとフランスの画像をそのままイベリア半島の先にくっつけているように思える。

 そもそもリッスンブールはあるフランス人が10月31日に「アメリカ人は地理に疎いからこの国を知らないだろう」と地図の画像付きでツイートしたのがきっかけ。このジョークがフランス国内で大いに受け、あっという間に架空の国「リッスンブール」のさまざまな情報もとい「設定」が作られていったのだ。影響範囲は大きく芸能人からテレビ局、24年パリ五輪公式アカウントまで多くの人々がこのネタに乗っかってジョークをSNS上に流すこととなった。なお、リッスンブールの大統領は発端のツイートを書き込んだ人物だ。

 ちなみに話題になった直後にこれらのネタを集めたかなり詳細な「Listembourg(リッスンブール)」の記事がWikipediaに作成されたようだが、「ネットの釣りネタ」をあたかも実在する国のように書いていたことから現在は削除されている。もう少し経って、リッスンブールが明らかにジョークを元にした創作の国家であることを明確にした記事が作成されれば再びWikipediaに掲載されるのかもしれない。

参考:「togetter」、ほか

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文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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