敵を恐怖と混乱に陥れる心理戦9選! 戦争で勝敗を決する残忍な古代文明の戦術
心理戦4
串刺し
串刺しにされた大量の死体が並んでいれば、侵略軍は怖れをなして、攻撃を思いとどまる可能性が高まる。紀元前9~6世紀にかけてメソポタミア地方に存在した新アッシリア帝国は、敵軍の兵士の死体を串刺しにしてさらしたことで有名である。
時代は下って15世紀のワラキア公国の君主ヴラド3世は「串刺し公」として有名である。ヴラドは敵対するオスマン帝国軍の兵士だけでなく、自国の貴族や民であっても反逆者は容赦なく串刺しにして処刑したといわれる。特に貴族を串刺しにするのはその尊厳を奪う一方で、ウラド自らの権威を示す役割を担ったと考えられる。ウラドはブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』に登場するドラキュラ伯爵のモデルだが、「串刺し公」のイメージもあって、歴史だけでなく文学にも名を残すこととなった。
心理戦5
皮剥ぎと杭打ち
新アッシリア帝国の残忍な心理戦の中でも、串刺しと並んで有名なのが「皮剥ぎと杭打ち」である。皮剥ぎと杭打ちは聖書でも言及され、他の記録でも恐ろしい処刑法として描かれてきた。アッシリアの支配を拒否した地域の統治者は、生きたまま皮を剥ぎ取られ、徹底的に苦痛を与えられた。皮は敵の軍を恐怖させて逃走させるため、壁の周りに貼り付けられたとされる。
一方、杭打ちは串刺しに似ている。杭打ちにおいて、死刑執行人は犠牲者を殺さないように重要な器官を脇に移動させながら、細心の注意を払って犠牲者の肛門からゆっくりと杭を押し上げていった。その後、串刺しと同様に、杭を地面に突き立てて犠牲者を持ち上げ、都市の真ん中にさらした。犠牲者は数日間生き長らえることもあったとされる。
心理戦6
磔刑
磔刑は、ペルシャ人やカルタゴ人、その他の多くの古代文明で、軍事目的と犯罪抑止を目的として行われてきた。敵対者や犯罪者を恐怖させるための磔刑にはさまざまなバリエーションがあり、文化によっては時代によって異なる方法が採用されてきた。
古代ローマでは、出血による死を避け、苦しみを長引かせるため、犠牲者に釘を刺すとは限らなかった。犠牲者は、木製の十字架に縛られるだけでも、骨は曲がって形が崩れていき、骨折によって苦痛が増した。さらに、何日もかけて鳥に肉を食べられ、ゆっくりと死に至ったという。
犠牲者の体に釘を打つ方法もさまざまだった。犠牲者は不自然な位置に足を固定された上で腕などに釘を撃ち込まれ、体の重さで肩などの骨が折れたり脱臼したりした。これは犠牲者の痛みを増すのに最適な方法だった。磔刑の噂は他国へと広まってその国の軍をひるませ、占領後の地域では暴動を思いとどまらせる効果があった。
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2024.10.02 20:00心霊敵を恐怖と混乱に陥れる心理戦9選! 戦争で勝敗を決する残忍な古代文明の戦術のページです。戦争、拷問、串刺し、磔刑、心理戦などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで