「ポルターガイストは精神疾患を超えた現象」 フロイトも認めた“超常現象研究者”が出した結論とは?
■解離状態で行われた“ポルターガイスト”
この一件の後、フォドーは長い時間をかけてアルマ・フィールディングの身の回りに起こったことを検証してまとめた。そして事件から20年後の1958年、フォドーは著書『On the Trail of the Poltergeist(直訳:ポルターガイストの軌跡)』を出版したのである。

同書の中で彼は、社会によって導入された論理的および倫理的手段に基づいてアルマ・フィールディングを評価することは間違っていると主張した。フォドーによれば、アルマには悪意があったのではなく、解離状態(dissociative state)の中でこのような行為を行っていたと説明している。
「解離した女性は、必ずしも倫理や論理に縛られているわけではありません。彼女は承認された社会的本能に支配されていません。彼女は無意識の心に支配されており、それには独自の行動基準があります。これらの特定の現象に関して、意図的な詐欺の証拠を確保することにより、彼女の解離から生じる多くの問題の1つを明らかにしました」(同書より)
アルマを詐欺師と断罪することは大きな誤りであり、この一件は単なる精神的疾患を超えたものであるというのだ。
「解離は、客観的および主観的な心霊現象を引き起こす精神への損傷によるものであるため、さらに先に進むことは心霊研究の範囲内です。実際、この事件を理解したいのであれば、そうしなければなりません。私たちが議論している現象の背後に心理的な原因があった場合、私たちの主題にとって、詐欺的な現象が本物の現象とまったく同じ価値を持っていた可能性は明らかです」(同書より)
同書で展開されたフォドーの理論は、大衆文化の娯楽としてのゴーストストーリーに取って代わるものにはならなかったが、学界などからは大きな支持を得たのである。
アメリカの小説家、シャーリイ・ジャクスン(1916-1965)にもフォドーの著作は影響を与え、1959年の著作『The Haunting of Hill House(邦訳:山荘綺談)』はアルマ・フィールディングの一件から着想を得たものであるといわれている。

フォドーもジャクソンも、ゴーストストーリーを人間の心の恐怖に置き換えた功績があったと一部からは称賛されている。その意味では人間の心の奥底に眠る“何か”は幽霊よりもはるかに怖いということなのかもしれない。
参考:「Mental Floss」、「Wikipedia」ほか
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