100万年後の地球上で繁栄する生物の姿を予想! 肉食鳩、クジラネズミ、犬サイズのカマキリ!
地球が誕生してから現代に至るまで、恐竜をはじめとしたさまざまな生物が登場しては絶滅し、栄枯盛衰を繰り返してきたことは歴史が証明しているが、現在、地球は人為的な気候変動によって、6番目の大量絶滅期に直面しているといわれている。
われわれ人類を含む、多くの生物種が絶滅の危惧に瀕しているなか、一部の専門家は「どんなに環境が変化をしようとも、姿を変えて、生き残り続ける生物が必ずいる」と主張しており、検証が進められているようだ。
ネズミはあらゆる環境汚染に適用し、有毒な廃棄物を食べながら、かつてアザラシやクジラがそうしてきたように「クジラネズミ」としていずれ海洋に進出するだろうと考えられているほか、大気中の酸素濃度の増加によって、小型犬ほどの大きさに巨大化したカマキリが、同じくポメラニアンほどの大きさになったゴキブリを捕食する光景が現実のものとなる可能性も少なくないという。数万年、数百年後、現存する生物たちはどのような変貌を遂げていくのか? 現段階で予想されている生物種の進化をまとめた2021年の記事を再掲する。
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※ こちらの記事は2021年11月6日の記事を再掲しています。
恐竜をはじめとして、太古の昔には、現在とは異なる姿の生物たちが地球上で繁栄していたことがわかっているが、われわれ人間を含めて地球上の生物は今もその姿を変えつつあるのだろうか。そうだとすれば、たとえば今から100万年後には地球上にどんな生物がいるというのか。
100万年後の地球上で繁栄する生物の姿
ご存知のようにわれわれ人類の文明が引き起こしている環境破壊によって、すでに数々の生物が絶滅し、絶滅が危惧される生物種も増えている。そして全面核戦争や小惑星衝突、激甚自然災害などわれわれ人類自身が直面している“滅亡シナリオ”もある。
しかし、一部の生物学者は今後地球上がどのような環境になろうとも、姿を変えて適応し、生き残る生物が必ずいると主張している。
カリフォルニア州立大学モントレーベイ校の進化生物学の教授であるリズ・アルター氏は、生物がこの先どのような姿になるのか、真剣に検証してみるのはきわめて重要なことであると指摘する。
では、今から数万年、さらには数百万年後に地球上に存在しているのはどのような生物なのだろうか。現在の地球は人為的な気候変動に見舞われ、その結果、6番目の大量絶滅期に直面しているといわれている。仮に人間が絶滅したとしても、しぶとく地球上で生き続ける生物の筆頭にはどんな生物が挙げられるのだろうか。
肉食鳩(carnivorous pigeon)
まず挙げられるのはネズミなどのげっ歯類、そしてゴキブリやハトに類する生物であると、米イリノイ州シカゴの「フィールド自然史博物館」の古生物学者であるジンマイ・オコナー氏は説明している。これらの動物は「私たちがこの惑星に行っている最悪の事態にもかかわらず、うまくやっていけます」というのである。
これらの種が現在起こっている生態学的変化を生き残るならば、それらはまた、絶滅した動物によって残された生態学的空間を埋め合わせるために進化する可能性があるいう。たとえば、トラが次の百万年で絶滅した場合、トラの役割を引き継ぐように巨大な肉食性のハトやラットが出現することが考えられるという。
この「肉食鳩(carnivorous pigeon)」はもはや飛ぶことはできないが、現在のダチョウほどの大きさまで巨大化し、大きく鋭いクチバシを持ち、発達した後ろ足で野原を駆け回り獲物をとらえて捕食するという。
クジラネズミ(whale-rat)
遠い将来、哺乳類の種が絶滅し続ければ、げっ歯類にとっては繁栄する態勢が整うことになるという。
ミドルベリー大学の古生態学者であるアレクシス・メカジュリウ氏は、ニューヨークのような大都市でも繁栄するために適応力を進化させ続けているネズミに注目している。彼らは、重金属汚染や放射能の中での生活にさらに適応したり、将来的には有毒な廃棄物を食べたりすることさえできるかもしれないというのである。
そして、陸上での生活が今後さらに厳しくなると、ネズミはゆっくりと海や川での生活に移行していくという。おそらく、彼らの進化した子孫は毛皮や手足を失い、完全に水生生物の存在に適した流線型のボディを発達させるというのだ。
前例として、アザラシやクジラのような他の海洋哺乳類は、陸生生物から水生生物への移行においてこの道をたどっている。
この完全に水生に適応した「クジラネズミ(whale-rat)」はペンギンのような水かきを持ち、ウナギのような尻尾を持って水の中で活動するという。ネズミもまた海洋に進出するのだ。
プラスチックを食べるシロアリと「セーリングバット」
未来の動物について考えるうえで、未来の地球環境を想像することも必要である。
人間が行った環境破壊により、人類が去ったとしても環境中のプラスチック汚染は何千年も続く可能性があるという。プラスチックに囲まれた環境にどのように適応するかもまた生物にとっての課題なのだ。
スミソニアン国立自然史博物館の進化生態学者であるサハス・バーブ氏は、プラスチックは「すべての生物が依存する大きな炭素源」であると述べている。今後プラスチックは食物になる可能性があり、「それを利用できる動物ならどれでも成功するだろう」と言及している。
具体的にはシロアリはそのような生き物の1つである可能性があり、すでにセルロースを分解できるシロアリが、プラスチックのようなポリマーを分解するように適応することを想像するのは難しくないという。
また、温暖化による海面上昇により陸地が狭くなるため、前出のクジラネズミのほかにも多くの陸上生物が海に進出することになると考えられている。
ワシントン大学の生物学教授であるシャーリーン・サンタナ氏は、コウモリの種がどのように進化して海の外や周辺に生息するかを考察している。翼幅が1.8メートルほどもある大型コウモリが海上を滑空し、獲物の魚を求めて水中でも機能するエコーロケーション能力を獲得するという。実際に一部のコウモリはすでにこの能力を持っているということだ。
ちなみにサンタナ氏はこの未来のコウモリを「セーリングバット(sailing bat)」と呼んでいる。
巨大カマキリ(gigantic mantis)
人間が絶滅したとしても、われわれが排出してきた炭素はしばらく地球に留まり続ける公算が大きいと、カリフォルニア州立大学の進化生物学教授であるエリザベス・アルター氏は説明する。そして、それは植物の大繁殖につながる可能性があるという。
植物の繁茂と多様性の増加は、最終的には大気中の酸素濃度を増加させる可能性があり、昆虫のボディサイズがより大きくなることが予想されるという。昆虫の成長は大気中の酸素濃度に部分的に依存しており、大気中の酸素が増えると昆虫がより大きな体を発達させる可能性が高まるというのである。
この「巨大カマキリ(gigantic mantis)」は小型犬ほどの大きさにもなり、同じくポメラニアンほどの大きさになったゴキブリを捕食するということだ。
このように人類が滅んだ後も逞しく地球上で進化を続けながら生き残る生物を考えることは、今のわれわれにとって重要な気づきをもたらしてくれるのかもしれない。そして、われわれ人類もまたやすやすと滅亡してなどはいられず、さまざまな変化に適応できる逞しさを備えることが求められているのだろう。
参考:「Vox」ほか
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