大使館職員らを苦しめた『ハバナ・シンドローム』はロシアの秘密部隊による「非致死的音響兵器」だったのか

Cédric DautreyによるPixabayからの画像

 2016年、キューバのハバナにてアメリカ大使館職員らを初めとした多くの人々が謎の体調不良に襲われるという事件が発生。彼らは疲労や頭痛、吐き気などの症状を訴え、長期的な健康問題に悩まされ衰弱しているとの報告があった。低周波や音響兵器など様々な説が流れたが原因の特定には至らず、「ハバナ・シンドローム」と名付けられた今も様々な仮説や推測が出てきている。

 これまでハバナ・シンドロームに関して政府機関が行ってきた調査では外国の関与の可能性は否定されてきたが、この度『インサイダー』誌、『シュピーゲル』誌、CBSの『60ミニッツ』による主要メディアの調査の結果、ハバナ・シンドロームの被害者が意図的に狙われたことを示唆する新たな証拠が発見されたとして話題になっている。

 彼らの調査によると、29155として知られる非常に特殊なロシア軍情報部隊が、ハバナ・シンドロームの起点となった都市のある時間帯に存在していたという。

 29155部隊は、2018年に起きたロシア人スパイ、セルゲイ・スクリパリの毒殺事件にも関与していると言われている。

 更に興味深いことに、この部隊は「非致死的音響兵器」ことソニック兵器の開発に関与していたことを示唆する証拠も見つかっているというのだ。この「非致死的音響兵器」は低周波音を極限定的な範囲に狙って放つことができるというもので、その影響を受けた人の症状はハバナ・シンドロームの被害に遭った人々が経験した症状と非常に酷似しているという。

 もしこの部隊がハバナ・シンドロームに関与している決定的な証拠が出たとしたら、ウクライナ軍事侵攻以降急速に関係が冷えてきているアメリカ、ロシア間に決定的な亀裂が生じるのではないかと言われている。

 ハバナ・シンドロームがアメリカ国内で問題視され、政府の対応について批判する意見が多く出ているのは、政府が公式見解として「外国が関与している可能性」を否定しているにも関わらず、それ以外の納得がいく、実際に実行可能な説を提供できていないからだと前述した各メディアは述べる。今回の報道を受けてアメリカ政府がどのような意見を出してくるのか、期待したいところだ。

 なお、当然ながらロシア側はハバナ・シンドロームが問題になった当時から事件への関与を否定し続けており、ドミトリー・ペスコフ報道官は「このような根拠のない告発について、説得力のある証拠を発表したり、表明したりした者はどこにもいない。つまり、それらはすべて根拠のない告発にすぎない」と述べている。

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文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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