科学者も困惑…“腐敗しない修道女の遺体”は神の御業か未知の現象か

画像は「YouTube」より

 昨年、米ミズーリ州で掘り起こされた修道女の遺体が、不可思議なほど保存状態が良かった事件で、専門家による調査でもその説明はつかなかったようだ。

 2023年5月、ベネディクト会メアリー女王使徒修道会の創設者であるシスター・ウィルヘルミナ・ランカスターの遺体が、ミズーリ州・ガワーにある修道院の新しい礼拝堂に埋葬するために掘り起こされた。ところが、数年前に埋葬されたにもかかわらず、シスター・ランカスターの遺体には腐敗の兆候が見られなかったのだ。教会当局による調査は最近終了したものの、この不可解な事態はさらに謎を深める結果となった。

 カンザスシティ・セントジョセフ教区は先週、1年間におよぶ調査結果を発表した。同教区は修道院を管轄しており、シスター・ランカスターの遺体の驚くべき状態に関する調査を行っていた。ジェームズ・ジョンストン司教によると、シスター・ランカスターの件が明らかになった直後、医療専門家チームが結成され、遺体と棺の両方の調査が行われた。さらに、2019年の最初の埋葬と2023年の発掘に立ち会った関係者への聞き取り調査も実施されたという。しかし、徹底的な調査にもかかわらず、医療専門家チームは驚くべき結論を下した。

 チームは、「彼女の遺体の状態は、死亡から4年近く経過していることを考えると極めて異例である。特に、環境条件や関連する物品の調査結果を考慮すると、その異様さが際立つ」と報告している。シスター・ランカスターが埋葬されていた場所の土壌分析からも、遺体がこれほどまでに完全に保存されていた理由を説明できるものは何も発見されなかった。教区は、修道女の遺体の奇妙な状態を説明できないことを認めながらも、「カトリック教会には、故人の遺体が不朽であるかどうかを判断するための公式な手続きは存在しない。また、不朽であることは聖人の証とみなされるものではない。現時点で、ウィルヘルミナ姉妹の列聖調査を開始する予定はない」と強調した。

 シスター・ランカスターの遺体が語る謎は、科学と信仰の境界線上で、私たちの理解を超えた現象の存在を静かに示唆しているのかもしれない。

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文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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