あなたが“サイコパス”かもしれない重要な兆候とは

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 新たな研究でサイコパスの兆候を示す重要なサインのひとつが特定されたようだ。

 200人以上のボランティアを対象に行われた実験で、サイコパス傾向の高い人は注意力の調節が苦手であることが明らかになった。例えば、会議で全体の流れは理解できても、議事録の細かいミスには気づかない、あるいは飲み会で場の雰囲気は読めても、特定の人の表情の変化に気づかないといったことが起こりやすい。全体像を捉えるのは得意であるが、細部への注意は散漫になりがちなのかもしれない。

サイコパスの特徴:反社会性、自己中心性、冷淡さ

 人口の約1%に影響を与えるとされるサイコパシーは、反社会的な行動、共感や良心の欠如を特徴とする人格障害である。これまでの研究では、会話中に頭をほとんど動かさない、痛みへの耐性が高いといった特徴も指摘されている。今回の研究では、反社会性、自己中心性、冷淡さという3つのサイコパシーの特性に焦点が当てられた。

 研究チームは、イギリス在住の18歳から40歳までの236人の参加者を対象に、2つの実験を行った。参加者は、レベンソン自己報告サイコパシー尺度(E-LSRP)という質問票を用いてサイコパシー特性を測定され、Navon刺激と呼ばれる大小の文字で構成された画像を用いて「注意の広さ」を評価された。

心理学者デイビッド・ナヴォンによれば、人は物事を捉える際、全体像(グローバル情報)と細部(ローカル情報)の両方を処理している。 画像は「Daily Mail Online」より

 実験の結果、全体的な注意の広さと3つのサイコパシー特性の間に関連性は見られなかった。しかし、反社会性が高い人は注意の範囲を素早く拡大する傾向があることが明らかになった。つまり、反社会性のサイコパスは、社会的な状況において、常に周囲の状況を把握しようとする一方で、微妙な詳細を見逃している可能性がある。一方、自己中心性や冷淡さと注意の広さや狭さの間には、顕著な関連性は見られなかった。これは、全体像を見やすい傾向は、反社会的な行動の強い傾向を持つサイコパスにのみ当てはまる可能性があることを示唆している。

 今回の研究は参加者数が少ないため、今後、世界中からより多くの参加者を募り、今回の結果を再現または拡張する必要がある。しかし、この研究はサイコパシーの理解を深める上で重要な一歩となるだろう。

 サイコパスは、その障害の種類によって様々な特徴を示す。一般的な兆候としては、表面的な魅力、自己価値感の誇大化、刺激や衝動性への欲求、病的な嘘、他人を操る能力、良心の呵責や共感の欠如などが挙げられる。しかし、必ずしもすべてのサイコパスが殺人鬼になるわけではない。専門家は、人は通常、サイコパスを魅力的だと感じるが、その理由を特定できないと主張する。これは、サイコパスが人を欺くために多くの演技をし、通常の反応を模倣し、時には自分の見解や反応を素早く変えるためだ。

画像は「Amazon」より

 サイコパスを見抜くのは容易ではないが、彼らの行動や言動に矛盾する部分がないか注意深く観察することで、その兆候を見つけることができるかもしれない。今回の研究結果は、サイコパスに対する理解を深め、社会における適切な対応策を考える上で大きな助けとなるだろう。

参考:Daily Mail OnlineScienceDirect、ほか

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文=深森慎太郎

人体の神秘や宇宙の謎が好きなライター。未知の領域に踏み込むことで、日常の枠を超えた視点を提供することを目指す。

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