15年後に浮上した“不適切な描写”の真相とは?物議を醸す「スポンジ・ボブ」の放送禁止回

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 子供から大人まで世界中で愛されているアニメ「スポンジ・ボブ」。しかし、その人気シリーズにおいて、放送から15年を経て突如として配信停止となったエピソードが話題を呼んでいる。その理由には、物議を醸す内容が含まれているためだという。その内容とは一体――。

問題のエピソード「Mid-Life Crustacean(邦題:私はクール)」

 問題となったエピソードのタイトルは「Mid-Life Crustacean(邦題:私はクール)」で、ミスター・クラブスが中年の危機を迎えるストーリーを描いている。このエピソードでは、彼が青春を取り戻そうと奮闘する様子がコミカルに描かれている。スポンジ・ボブとパトリックが彼の気分を盛り上げるため、ビキニタウンを巡る冒険に連れ出すのだ。

 物語は一見、子ども向けのユーモアに満ちた内容に思える。しかし、問題のシーンが存在する。それは「パンティ泥棒」の場面だ。このシーンでは、3人がある女性の家に忍び込み、下着を盗むという行動に及ぶ。その後、家主がミスター・クラブスの母親であることが発覚し、彼は子ども部屋で反省を促されるという展開になる。

 2018年、幼児・児童向け番組を専門とするチャンネル、ニコロデオンは「子ども向けにふさわしくない要素が含まれている」として、このエピソードをすべてのプラットフォームから削除する決定を下した。この背景には、放送基準の見直しがあったとされる。

放送禁止となった別のエピソード

 同じくニコロデオンの判断で、一時的に公開が見送られた別のエピソードも存在する。それは「Kwarantined Krab(隔離されたカニ)」というタイトルで、2020年の放送予定だった。このエピソードは「クラムフルー」と呼ばれるウイルスが発生し、レストラン「カニカーニ」が封鎖されるという内容だ。

 新型コロナウイルスのパンデミックが始まったばかりの当時、こうしたストーリーは視聴者に過度の不安やストレスを与える可能性があると判断された。その結果、放送は延期され、最終的に2023年4月まで公開されなかった。ニコロデオンは「現実世界のパンデミックに対する配慮から放送を見合わせた」と説明している。

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時代背景と視聴者の感受性

 子供向けアニメでありながら、時に大人向けのユーモアや風刺を含む「スポンジ・ボブ」。しかし、時代とともに変化する社会的価値観や世界情勢により、かつては問題とされなかった描写も見直しを迫られることがある。この事例は、子供向けコンテンツに求められる適切性の基準が、時代とともに変化していることを示す興味深い例と言えるだろう。

 日本でも、昭和や平成初期のアニメやドラマには、現在の基準では過激とされる表現が散見される。これらの作品が再評価される中、時代背景や文化的文脈をどう捉えるべきかを考えることも重要なのかもしれない。『スポンジ・ボブ』のエピソードを巡る議論は、そのような視点を改めて問いかける機会を提供しているのではないだろうか。

参考:LADbible、ほか

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