極寒の海で溺死した“少女の霊”が出る長崎の離島!「おかぁさん、助けて…」目から血を流した少女の首が折れ…

※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
今から40年以上も前のことになる。長崎県・五島列島の中央に位置している奈留島(なるしま)で、小学校に上がる前の少女が亡くなった。死因は溺死だった。
五島列島の冬は、とりわけ厳しい。毎日のように北風が吹き、家から外に出ることができない日も多い。そんなこともあって、島の人たちは、秋口から春先にかけて、子どもたちを海で遊ばせないようにしているという。

あまりにも痛ましいその事故の原因は、少女の母親が『島の掟』を破ってしまったことにあった。何を考えたのか、母親は、風の吹き抜ける場所に作られている台の上で、子どもを遊ばせてしまったのだ。すると、大人も立っていることのできない風が吹いてきて、少女は、海の中に落ちてしまった。
冬になると、風の吹き抜ける場所に作られている台の上では、さつまいもを薄くスライスして茹でたものが干されている。そこで作られているのが「かんころ餅」で、五島列島の伝統的な保存食となっている。年配の人たちにとっては、お菓子のようなものだ。この台は、竹で作られていて、五島列島に伝わる伝統的なものだ。「かんころ餅」は、焼いて食べても美味しい。


現在、少女が住んでいたとされる家屋は廃墟となり、ひしゃげてしまっている。その家屋の近くには5~6件の家屋が並んでいるが、人が住んでいる気配はない。驚かされるのは、「あの集落跡には、溺死した少女の霊が今でも棲んでいる……」という噂が囁やかされていることだ。奈留島で暮らしている老人に話を聞いた。
「奈留島は、海岸線が複雑に入り組んどって、岬の突出も多かところです。漁場としては申し分なかとですが、浜遊びに適したところではなかんのです。毎年、冬んばなると30メートル以上の強風が吹き荒れるとです。少女の母親は、家の近くにある浜で少女を遊ばせておったとです。少女は、強風で体を吹き飛ばされて、海に落ちて波にさらわれたとですよ。夕方、探しに行っても、もうその姿はなかとでした。そん後、この少女と思われる霊が出るようになったとです。『おかぁさん、助けてよ 助けて…』と言いながら泣いとるところを見た人がおるとですよ……」
この老人は、自身がまだ30代だった頃の話を思い出しながらゆっくりと話をしてくれた。少女が住んでいたとされる廃屋は、事故があってから、長い間空き家になっていたという。大学生の頃、バックパッカーをやっていた男性は話す。
「あぁ……。あの頃は、まだおおらかな時代でしたね。自分たちのようなバックパッカーやヒッピー崩れの若者は、島巡りをすると、良く廃屋に泊まったものです。タダですからね(笑)。もちろん、島の人たちも『どうぞどうぞ。火だけは気をつけてね!』という感じでした。でも、そんな旅をしていると、エラい目にも遭うものです。あの廃屋に泊まったときのことです。真夜中に胸元が苦しくなって目を開けたんです。するとどういうワケか小さな女の子の頭が乗っかっていたんです。『エッ!』と思ってどかそうとすると、首の部分が折れて、顔の部分がこっちを向いたんです。その女の子は、目から血を流していました。そして、口元は青ざめていました。もうびっくりして外に飛び出しましたよ……」
五島列島を旅していると、いくつもの廃村を見かける。だが、安易な気持ちで家屋の中に入ることは避けなければいけない。そこで何があったかは、島の人しか知らないのだから……。
(文:小倉門司太郎)
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