「2024 YR4」“都市破壊級”小惑星、2032年に月へ衝突する確率が上昇

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イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

 発見当初、「地球に衝突する確率3.1%」という衝撃的なニュースと共に現れた小惑星がある。その名は「2024 YR4」。TOCANAでも度々報じてきたこの小惑星は、もし衝突すれば都市一つを壊滅させるほどの威力を持つことから、「シティキラー」級とも呼ばれる。この小惑星が今、新たなターゲットに照準を合わせている。その標的は、私たちの最も身近な天体、月だ。

地球の危機は去った、しかし…

 2024 YR4が最初に発見された時、天文学界には緊張が走った。直径約50〜70メートルというそのサイズは、1908年にシベリアの広大な森を薙ぎ倒した「ツングースカ大爆発」を引き起こした小惑星に匹敵する。そんな天体が、2032年12月に3.1%という異常に高い確率で地球に衝突する可能性が示されたのだ。

 幸い、その後の詳細な観測により、地球への衝突リスクはほぼゼロにまで低下。人類は胸をなでおろした。だが、安堵も束の間、今度は「月」がその射線上に浮かび上がってきたのである。

月への衝突確率、4.3%へ上方修正

 当初、2024 YR4が月に衝突する確率は3.8%と計算されていた。これだけでも十分に高い確率だが、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた最新の観測で、そのリスクはさらに上昇。なんと「4.3%」にまで引き上げられたのだ。

 もちろん、95%以上の確率で衝突はしない。しかし、宇宙スケールで考えれば、4.3%という数字は天文学者たちを興奮させるには十分すぎる。もし衝突しても、月が破壊されたり、その軌道に影響が出たりするわけではない。だが、科学者にとってはまたとないチャンスが訪れることになる。

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Image by Rolando Marin from Pixabay

世紀の天体ショーか、科学の大発見か

 もし、この小惑星が本当に月に衝突すれば、私たちは歴史の証人となるだろう。巨大なクレーターがリアルタイムで形成される瞬間を、地球から観測できるのだ。それはまさに「ワイルドな天体ショー」であり、クレーターがどのように作られるのかを解明する上で、この上なく貴重な科学データをもたらす。

 この天体の運命に関する最終的な結論は、まだ出ていない。2024 YR4は現在、地球から遠ざかっており観測は困難だが、4年周期で再び我々の近くへやってくる。次の観測チャンスは2028年12月。その時、この「シティキラー」が月面の新たなクレーターとなるのか、それとも静かに宇宙の闇を通過していくのか、その運命がよりはっきりと示されるはずだ。

 2032年の夜空、月は新たな傷をその身に刻むのか。それとも、何事もなかったかのように静かに地球を照らし続けるのか。運命の天体ショーの開幕まで、あと数年だ。

参考:ScienceAlert、ほか

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